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▽.
グルッペンの手招きに応じて彼の元まで歩けば、刺さるような殺気を含んだ視線が注がれる。緑のパーカーを着た幹部...おそらく特殊部隊隊長にいたってはナイフをあいさつ代わりに投げてきた。
流石内ゲバで有名な国。総統の紹介で来たと言えどさっそく敵意丸出し。
元より乗り気ではない上に何度も断った依頼。
このナイフにあたってしまえばキャンセルにでもなるんじゃないかと思い、避ける姿勢をとらずにいたが、残念ながらナイフは私に当たる前に軌道を変えられ床に落ちた。
「みんな殺気立ちすぎめう〜」
「なんやマンちゃんかばうんか。グルちゃんが依頼したとはいえ、こんなはじめましてのやつ信じられへん」
「シャオロンなに失礼なこと言っとるん。ゾムも誰にでもナイフなげたらあかんで。そもそも初見やないやろ...ここのメイドとして働いてくれとったやん。まさかグルッペンが個人的に雇っとるなんて思っとらんけど...ほんままんまと騙されたわ」
ティースプーンで投げられたナイフをはじいたのは、外交官オスマン。
話し方は軽いようで重い。口が回る男だと知ってはいたが、洞察力も群を抜いている。ナイフを投げる瞬間の察しの速さ...そして変装をも見抜く観察力。
グルッペンの依頼を受ける際の侵入の手段として、ここのメイドに扮することは多かったが今はスーツにメンズメイク。あの時の姿と違うにもかかわらず、私だと見抜くとは...。
「失礼な奴ばっかりでごめんね...F国であのケーキ勧めてくれたウエイター君やろ？ほんと美味しかっためう〜いろんな意味で」
F国からの依頼であった、W国へ国連脱退についての返事及びG国に関する機密情報の受け渡しは、周囲に悟らず自然な流れで任務ができるように、花言葉とケーキに隠して伝えることにした。
オスマンはその時にケーキに忍ばせていおいた機密情報入りの小さなメモリカードを懐から取り出すと、こちらを見てにっこり微笑む。
あの時の変装も見抜いているぞと言わんばかりの発言と、笑顔に隠れた表情を窺う目。優しく微笑む姿のはずが、ここにいるどの幹部よりも私を疑っている。
「あの時はF国が気ぃ利かせて、うちの国のメイドを仲介人にしたんかと思っとったけど違うんや...なぁあんた何者？このメモリカードも本物やんな？」
鋭い視線。
まるでナイフを突きつけられているかのようなこの視線。
まったく...W国の洗礼は血の気が多くて嫌になる。
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ゆりあ(プロフ) - akariさん» コメントありがとうございます！そ、そんなに褒めてもなにも出ないですよ笑 更新頑張ります (2020年11月2日 17時) (
レス) id: 029daaf82d (このIDを非表示/違反報告)
akari(プロフ) - めっちゃ面白かったです！足ベキで表現力が凄すぎて思わず「お゛っ…ひぇぇ」って声出たましw続き読んできます！ (2020年10月17日 1時) (レス) id: b33ff88052 (このIDを非表示/違反報告)
ゆりあ(プロフ) - ペンギンさん» コメントありがとうございます！面白いと言って頂けて嬉しいです！まだまだ続きますので少々お待ちを！ (2020年7月19日 9時) (レス) id: 029daaf82d (このIDを非表示/違反報告)
ペンギン - 面白いです。続き待ってます。 (2020年7月16日 22時) (レス) id: 5f842aeb4f (このIDを非表示/違反報告)
ゆりあ(プロフ) - 黒胡椒さん» コメントありがとうございます！面白いその一言だけでもエネルギーになります！頑張ります！ (2020年3月11日 16時) (レス) id: 029daaf82d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ゆりあ | 作成日時：2020年3月8日 22時
