か わ い い な ん て い ら な い（ 桃 ）

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柏「すげぇな、急接近じゃん」

貴「自分でもビックリしておる」




昨日、あのあとは ひたすら倉ちゃんにだる絡みされながらプリントを閉じて。

知念くんとは当然のように校門で別れてその後 速攻 柏にラインで報告。

ポンポン会話は弾んで今朝に至るわけですが。




柏「で？知念くんの連絡先ゲットしてんの？」

貴「え？」

柏「え？」




連絡先？レンラクサキ？




貴「してないけど」

柏「アホかお前は」

貴「あ、でもツイッターのフォローはきた！」

柏「…まぁ進歩、なの、かな、」




うーん、って唸ってる柏。

…なんかごめんよ、なんて思ってたら、聞き慣れた私を呼ぶ声。




大「Aー！AAAA、Aーーーっ！」

貴「うるっさいな！なに！」

大「生物の教科書貸してー！」

貴「大貴って毎日 何持って来てるの…？」

大「えー？弁当とー、練習着とー、…そんくらい？」

貴「筆箱は？」

大「置いて帰ってる！」




…もう呆れて溜め息も出ないよ。

同じ中学から来たのがコイツと山田だけで、大貴は山田より長い幼稚園からの付き合いで。

ずっと抜けてるしポンコツだけど、きゅるんとした笑顔のせいか憎めない。




貴「ほらよ」

大「あざす！！」

貴「え、大貴 生物何限目？」

大「３限ー」

貴「私 ４限 生物だから返してねー」

大「りょーかいしやしたっ！」




ありがとー！って手を振る大貴を見送るのは一体何回目なんだ、ってわりと呆れながら、

いつものように柏の席まで戻った。

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