検索窓
今日:1 hit、昨日:8 hit、合計:180,563 hit

c u t e;23 ページ23

##




なんで泣いてるのか自分でもわかんないけど涙が止まらなくて、人が通らないのをいいことに廊下に座り込んでる私。

ズズッて鼻水を啜った音が静かな廊下に響いて、やっぱり私は可愛くなんかないよ、って。

やっぱり知念くんの方が可愛いに決まってるよ、って。

だけど、

…だけど。




「…A?」




なんで、こんなタイミングで来るの。

なんで、そんなに優しい声で私を呼ぶの。

知念くんがせっかく伝えてくれた想いを踏みにじった最低な私なのに、どうしてこんなに周りは優しいんだろう。




貴「りょうすけ、」

涼「なーに、どした」

貴「わたし、ちね、っくんに、」

涼「聞いてやるから泣きやめって 笑」




眉を下げて笑いながら優しく背中をさすってくれる涼介の手があったかくて また泣きそうになっちゃって。

ばかばかばか!!って笑われた。




涼「…知念に告白されたんでしょ?」

貴「…うん」

涼「どうすんの?」

貴「…分かんなくて」

涼「Aの気持ちはAにしか分かんねぇんだからさぁ、」

貴「…」

涼「…知念な、人見知りめちゃくちゃ激しくて」

貴「涼介も人のこと言えないじゃん、」

涼「うるせぇよ 笑」




しばらく止まらなかった嗚咽も、涼介と喋ってたら落ち着いてきて。

…幼馴染のパワーってすごいんだなぁ、




涼「人見知りのはずの知念がさ、思ってたよりAと仲良くなっちゃってさ、」

涼「俺 正直めちゃくちゃ焦ったんだから」

貴「…なんで?」

涼「…やっぱり気づいてない?」

貴「なにに、」

涼「…お前が知念のこと可愛い可愛いって言うたびに、俺はAの方が可愛いって思ってたよ」

貴「…え、」

涼「俺の中では、Aが何よりも可愛くて何よりも大事な人で、」

貴「ちょっと、まって、」

涼「俺はAがずっと好きだったよ」




冗談を言ってるとは思えない涼介に、どうしたらいいのか分かんなくて。

ぱちぱち、って瞬きをしたら フハッ、って涼介が笑った。




涼「だけど、Aが好きだって思えるのは俺じゃないでしょ?」

貴「…えっと、」

涼「何年お前ばっか見てたと思ってんの?俺を欺けるわけねぇだろ」

貴「…りょう、」

涼「…行ってこい」




私の腕を引っ張って立ち上がらせて、トンッて優しく背中を押してくれた。

c u t e;24→←c u t e ; 22



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 10.0/10 (534 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
1333人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

ろこもこ。(プロフ) - いい作品ですね!!!いつも見てます。できれば、もう少しおすちねが見たかった… お疲れ様でした! (2018年7月24日 4時) (レス) id: 94cf3185f6 (このIDを非表示/違反報告)
の ん(プロフ) - おつかれさまでした。ほんっとに更新されるたび読むのが楽しすぎる作品でした 、!何回も読み返してしまいました 笑 ぽむさんの作品ほんとに大好きで全部読ませてもらってます、!!これからも応援してます 、! (2018年1月18日 19時) (レス) id: 3167764a0b (このIDを非表示/違反報告)
あ り や ま. - これからも頑張って下さい! (2017年9月15日 16時) (レス) id: 808b43a97c (このIDを非表示/違反報告)
未来 - 続き楽しみです! (2017年8月21日 19時) (レス) id: 7f019232b0 (このIDを非表示/違反報告)
涼介くん 愛ing(プロフ) - いえ!こちらこそすみません!このお話いつも面白く読まさせてもらってます!これからも体調に気を付けて更新頑張ってください! (2017年8月18日 21時) (レス) id: 79f8666bcb (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:ぽむ | 作成日時:2017年8月12日 20時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。