【109】TH side ページ9
ーテヒョン side
Aがいなくなってしまってから、自分の中に大きな穴がぽっかりとあいていた。
声を聞きたくても、繋がらない電話の向こうからはアナウンスの声しか聞こえない。
顔を見たくても、写真を見返すしかなくて。
周りが見えなくなって、奇行に走ってしまったあの日から訳のわからない熱愛報道まで出された。
もう、何もかもが嫌になった。
忘れようと思って他の女を抱こうとしたけど、やっぱりAじゃないとダメだった。
「…テヒョンが、………すき」
ずっと会いたかった人が目の前にいて。
ずっと聞きたかった、この言葉。
Aは分かってるくせに、なんて言ったけど、そんな気持ちの余裕なんて俺にはどこにも無かった。
他のメンバーと笑って話してるのを見ただけで、嫉妬するし不安にもなった。
TH「…もう一回言って」
自信なんて無かったし、必死だった。
「…もう言わない」
TH「お願い」
縋るような想いで、Aを見上げる。
好きになってくれたらって、何度も願った。
「テヒョンが好き。………大好き」
もしこれが夢なら、もう覚めないで。
そんな風に思ってしまうくらい、今のこの状況に実感が湧かなかった。
「…ちょ、」
考えるより、先に体が動いて。
椅子に座っていたAを強引に抱きかかえるように、軽い体を持ち上げた。
びっくりしたAは、咄嗟に俺の首に腕を回してしがみ付いている。
そして広すぎるベッドにそっと下ろすと、何か言おうとするAの唇を遮るように口付けた。
初めは抵抗していたAも、だんだんそれが深くなるにつれて力が弱まってくる。
それが可愛くて、仕方なかった。
「…待っ、」
TH「待たない」
Aの甘い声が漏れる。
もう余裕なんて、どこにも無かった。
TH「全部俺のものになって」
ーーー心も身体も、全部。
俺から離れなくなってしまえばいい。
.
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ミツ(プロフ) - ciels0604さん» ここまで読んで頂けて嬉しいです。ありがとうございます！次も頑張ります！ (2020年2月2日 12時) (
レス) id: 6ad776dd96 (このIDを非表示/違反報告)
ciels0604(プロフ) - 面白かったです。私の理想です、、、笑次の作品も楽しみにしてます！！ (2020年2月1日 20時) (レス) id: 159a8fda76 (このIDを非表示/違反報告)
ミツ(プロフ) - ゴリ実さん» 作品を読んで頂きありがとうございます！嬉しいです！これからも宜しくお願いします(*´∀｀*) (2020年1月19日 9時) (レス) id: 6ad776dd96 (このIDを非表示/違反報告)
ゴリ実(プロフ) - 今日読み始めて、ここまで読むことができました！面白かったです！今後も他の作品読ませて頂きます！！ (2020年1月16日 21時) (レス) id: df9f3b9e3e (このIDを非表示/違反報告)
ミツ(プロフ) - もっちゃりさん» 初めまして（＾_＾）そんな風に言って頂けて嬉しいですありがとうございます！パスワードのついてる作品は後日外していきますので、またその際に読んで頂けると嬉しいです。すみません（ ; ; ） (2020年1月14日 0時) (レス) id: 6ad776dd96 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ミツ | 作成日時：2019年8月10日 21時
