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「VIP専用エレベーターはこちらです」
人生で一度も来たことがない、超高級ホテル。
ただの妹とご飯を食べるためだけに、簡単に部屋がとれちゃうのは兄が芸能人だから。
Aもうすぐ着くよ
ケイ鍵あけてあるから入ってきて
指定された部屋の前まで来た。
ここには世界的に有名なシェフがいるって、前に雑誌で見た事があって、私のお腹の虫は鳴いている。
「ケイオッパ、入るよ？」
ドアをコンコン、とノックする。
ドアノブに手を掛けようとしたその時、待ち構えていたかのようにドアがガチャリと開いて。
「ケイオッ…パ………」
ドアの隙間から姿を見せたのは、ケイ兄ではなくて。
一番会いたくなかった、金色。
…逃げなきゃ。
その人物目の前にして、咄嗟にそう思った。
ドアを勢いよく閉めるように両手で押して、すぐにその場から離れようとした時。
ドアから伸びてきた手に腕を掴まれた。
振り払おうとしても、その手は私には到底叶わない力でドアの奥へ引き摺り込んで。
バランスを崩して倒れ込むように、入ってはいけないその場所に足を踏み入れてしまった。
ガチャリ、と背中のすぐ後ろで鍵の閉まる音。
私の体をふわりと包み込む、甘い香り。
体が覚えていた。
忘れるはずのない、この香り。
「……テヒョン……なんで、」
ぎゅっと両手で私を抱きしめる。
久しぶりに名前を呼んだ気がする。
テヒョンはドアの前で、声を発することなく、ただただ無言で私の体を強く抱きしめていた。
同時に、テヒョンの心臓の音が伝わってきて。
そして数分経ってから、テヒョンは絞り出すような小さな声で言った。
TH「…やっと会えた」
テヒョンが私の肩に頭を乗せるから、そのせいで微かな吐息が肌に当たってくすぐったかった。
「……このままじゃ動けないよ」
久しぶりに感じた、この体温。
懐かしい香りに、涙が出そうになった。
私がテヒョンから離れようと身を引こうとしても、またぎゅっと抱き寄せられた。
TH「…離したら逃げるじゃん」
「逃げないよ」
TH「…絶対？」
「うん。絶対」
TH「……」
「テヒョン、」
そう言うと、テヒョンはゆっくりと私から離れた。
久しぶりに近くで見る綺麗な顔に、思わず息を飲んだ。
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ミツ(プロフ) - ciels0604さん» ここまで読んで頂けて嬉しいです。ありがとうございます！次も頑張ります！ (2020年2月2日 12時) (
レス) id: 6ad776dd96 (このIDを非表示/違反報告)
ciels0604(プロフ) - 面白かったです。私の理想です、、、笑次の作品も楽しみにしてます！！ (2020年2月1日 20時) (レス) id: 159a8fda76 (このIDを非表示/違反報告)
ミツ(プロフ) - ゴリ実さん» 作品を読んで頂きありがとうございます！嬉しいです！これからも宜しくお願いします(*´∀｀*) (2020年1月19日 9時) (レス) id: 6ad776dd96 (このIDを非表示/違反報告)
ゴリ実(プロフ) - 今日読み始めて、ここまで読むことができました！面白かったです！今後も他の作品読ませて頂きます！！ (2020年1月16日 21時) (レス) id: df9f3b9e3e (このIDを非表示/違反報告)
ミツ(プロフ) - もっちゃりさん» 初めまして（＾_＾）そんな風に言って頂けて嬉しいですありがとうございます！パスワードのついてる作品は後日外していきますので、またその際に読んで頂けると嬉しいです。すみません（ ; ; ） (2020年1月14日 0時) (レス) id: 6ad776dd96 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ミツ | 作成日時：2019年8月10日 21時
