【48】TH side ページ48
ーテヒョン side
ゆっくりと目を開ける。
朦朧とした意識の中で、視界に広がったのは見慣れたはずのこの場所が真っ赤に染まっていた。
起き上がろうとしても、動けない。
顔だけを動かすと、すぐ右隣にはAがまるで眠るように目を閉じて倒れていた。
自分を庇って倒れていく姿を思い出して、悔しさのあまりただただ泣く事しか出来なかった。
Aも、先生も。
守れない自分が憎くてしょうがない。
TH「…A……」
声だってうまく出ない。
名前を呼んでも返ってこない返事。
振り絞った力で、Aの小さな手をぎゅっと握っても握り返してくれる事はなかった。
ああ、このまま死ぬのかって。
いっそのこと、Aに告白でもしとけば良かったなんて呑気な事を考えて。
そのまま目を閉じようとした、その時。
「おじさんと賭け事をしようか」
男の声が耳に入った。
笑みを含んだ、気味の悪い声。
誰かと話してる？
体が動かなくて、声だけしか聞き取れない。
……一体、誰とーーー…
JK「……ころしてやる、」
……ジョングク？
声の主に驚いて、少し顔を上げると。
血のついた包丁を持った、小さな体のジョングクの頭に手を乗せながら、少し微笑んでいる男。
男の袖の隙間から、十字架のタトゥーが見えた。
何してんだよ、逃げろよジョングク…！
そう叫びたくても、痛みが全身を支配する。
そしてだんだんと薄れていく意識。
視界が、声が、遠くなっていく。
最後に俺が見たのは、ぐしゃぐしゃになったジョングクの泣き顔と、男の笑顔。
二人が、この場所から出て行く姿だった。
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ゆ - ウロボロスに似てますね、、 (2020年4月27日 1時) (
レス) id: ec2b78254f (このIDを非表示/違反報告)
ミツ(プロフ) - NAKOさん» ありがとうございます！とても励みになります。長々と続きますがこれからもお付き合いください。 (2020年2月2日 7時) (レス) id: 6ad776dd96 (このIDを非表示/違反報告)
ミツ(プロフ) - はるかさん» アイドルではないんです、ごめんなさい(＞人＜;) (2020年2月2日 7時) (レス) id: 6ad776dd96 (このIDを非表示/違反報告)
NAKO(プロフ) - こちらの作品を読んでいるとすごく心が動かされます楽しみに更新待っています。 (2020年1月25日 6時) (レス) id: 945b78ea37 (このIDを非表示/違反報告)
はるか(プロフ) - アイドル設定ではないんですね。 (2020年1月21日 2時) (レス) id: bcff119160 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ミツ | 作成日時：2020年1月12日 21時
