誰にも言えない秘め事壱【BTS】 (ページ5)

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「今もケイと連絡が取れない。どこに行ったのか、誰にも分からないんだ」

マネージャーは深刻そうに、そう言った。

すぐに私は携帯を取り出して電話を掛けても、やはり繋がらなかった。

どうして？

一体ケイ兄に、何があったの？

ほら、テレビの向こうではこんなに笑ってるのに。

しばらく考えて、考えて、それでも誰も理由が分からなくて、重苦しい沈黙が数十分続いた。

「こちらも総勢力で探すつもりだ。なんだが…」

マネージャーは、顔をあげて私を見つめた。

「この事は絶対に世間に公にしたくないんだ。ケイのためにも、グループのためにも」

「でも、そんなの、絶対無理だよ…」

彼らのことを、どれだけたくさんの人が注目しているのかは分かりきっているのに。

外を出て少し歩くだけで、一瞬にして周囲がパニックになる彼らの、そんなスクープを、韓国だけじゃなくて世界の報道機関が放っておくはずがない。

世界的な大ニュースになるだろう。

「今、世間を巻き込んで混乱させたくないんだ。ワールドツアーも控えている」

「だからって、こんなのどうしようも…」

悲しくて、驚いて、涙が溢れた。

もしものことがあったら…なんて最悪の状況だって脳裏をよぎってしまう。

そんな私の肩を力強く、マネージャーは掴んだ。

「ひとつある。…いや、ひとつしかない」

掴まれた肩が、とても痛かった。

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