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予想もしなかった事に、言葉が詰まる。
「ジニヒョン…？」
ずっと無言だったジンが突然立ち上がって、ぎゅっと私を抱きしめたから。
JN「…すっごい、びっくりしてるんだけど、」
伝わってくるジンの体温は暖かかった。
JN「それよりも、俺らのために大変な思いさせちゃってごめんっていう気持ちと、」
「…え、」
JN「一人で抱え込ませてごめんっていう申し訳ない気持ちの方が大きいよ」
長男の言葉は優しかった。
もうジンにまでバレたら、終わりかもしれないって思った私が間違っていた。
テヒョンの言う通りだった。
「…ヒョン〜〜っ」
JN「わ、泣かないでよ〜〜」
ジンの言葉に、ここに来て初めて涙が出た。
ケイ兄がまだ見つからない不安と、ケイを演じる自分へのプレッシャーが、その言葉によって少し軽くなったような気がして。
JN「一人で不安だったね。ごめんね。」
よしよし、と。
まるで小さい子を慰めるように、優しく、私の頭を撫でてくれた。
しばらく私が落ち着くまでずっとそうしてくれたジンからそっと離れると、私の本当の名前がAだということを明かした。
JN「Aかあ。いい名前だね」
「そうかな？ありきたりだと思うけど…」
JN「二人の時はAって呼んでもいい？」
「も、もちろん！」
JN「じゃあAも、俺にヒョンって言わないで」
「んー、じゃあ、ジンニム？」
JN「…いやぁ、それはちょっと」
ジンが肩を揺らして笑った。
「じゃあ、オッパ！」
これしかないみたい。
私が閃いたように笑顔でそう言うと、ジンは一瞬目を丸くしたかと思えば、だんだん耳が赤くなった。
…あ、照れてる。かわいい。
それから少しの間ジンと話して二人で笑って、もう遅いねって言いながらそれぞれの部屋に戻った。
その頃には、すっかり私の不安は消えていた。
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作者名：ミツ | 作成日時：2019年7月21日 20時
