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その日のレッスンは終わり、テヒョンとジミンは別の撮影があるため現場へ向かって行った。
今日、皆の動きを見て思った。
この人たちと一緒にステージに立つなんて、私には出来ないんじゃないかって。
動きを覚えて実際についていこうとしても、テンポが遅れてしまったり、息があがって自分のパートが歌いにくくなってしまったり、もう散々だった。
練習しなくちゃいけない。もっと。
みんなの今までの練習量とは比べものにならないけれどほんの少しでも、誤魔化せるくらいまでにはならなくちゃいけない。
焦りと不安が一気に押し寄せた。
RM「さ、みなさん、帰りますよ」
みんなは帰宅する準備を始めていた。
JK「ヒョン？どうしたの？」
そんな中、動こうとしない私に気付いたジョングクが不思議そうに問いかけた。
みんな気にせずその場で着替えようとするから、目のやり場にとても困って。
「俺、もうちょっと残るよ」
そう言った私に、着替えていたメンバーは驚いたようにぎょっと私を見つめた。
今の時点で、みんなと同じ練習量じゃだめ。
なんとかして、ついていかなきゃ。
だからどうしても私には、時間が必要だった。
JK「ヒョンが残るなら俺も、」
RM「ジョングクは駄目だよ。これからCMの撮影が入ってるんだから」
皆それぞれ仕事が入ってて。
多忙な合間で練習して、ここまできたのは本当に凄いし絶対に追いつけるはずがない。
マネージャーが、私の仕事は極力減らして他のメンバーでカバー出来るように、調整してくれていた。
だから私には練習出来る時間があった。
「ジョングク、俺は一人で大丈夫だから」
そう言った私に、ジョングクは耳の垂れ下がったウサギのようにシュンとしていた。
SG「気負いすぎて怪我すんなよ」
「…ユンギヒョン、」
お兄さんらしく、ユンギはそう言いながら私の肩をぽんぽんと軽く叩いた。
皆が帰った後、私は鏡と向き合って何度も何度も同じ曲を繰り返し流し続けた。
気付かないうちに、かなり時間が経っていた。
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作者名：ミツ | 作成日時：2019年7月21日 20時
