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朝、目が覚めた。
自分の体にのしかかる、何かの重みのせいで。
うっすらと視界が開けていく最中、淡い金色の髪が目の前いっぱいに広がっていくのが分かった。
その金色がなんだか眩しくて。
その眩しさに目が眩んだ。
その金色から目を背けようとしたとき、背中あたりに温もりを感じて、ぐいっと引き寄せられた。
「だれ…？」
まだ覚めない頭を必死に動かせる。
そしてさらに近くで感じた吐息に、一瞬にして夢から現実に引き戻された。
「…テヒョン！？」
私を抱き抱えるようにして、同じベッドですやすやと寝ているのは、紛れもなくテヒョンだった。
驚きのあまり、ベッドから飛び退くと。
テヒョンの上半身が裸だという事に、気付いた。
そして絶望した。
私の胸にあった締め付けが、一切感じられなくて。
「……まさか、」
見渡すとベッドの隅の方に、私のサラシが投げ捨てられるように落ちていた。
慌ててシャツの中を見ると、昨日までは無かったはずの赤い斑点が胸元にたくさんあって。
そっちの経験は少ないけど、それがキスマークだということは分かった。
誰の仕業かなんて、一目瞭然。
もしかして、もしかして、私やっちゃった！？
パニック状態に陥って、頭を抱えてしゃがみ込む私に気付いたテヒョンが目を擦りながら起き上がる。
TH「おはよ、A」
「お、おはよう」
ピョンと寝癖をつけてるテヒョン。
…ん？
………待って、今、テヒョンなんて言った？
「名前……なんで！？」
目の前が真っ暗になりそうだった。
あまりの衝撃に言葉も出なくなった私を見て、テヒョンは楽しそうに笑っていた。
TH「Aが教えてくれたんじゃん」
「え……いつ？」
TH「昨日の事、覚えてない？」
テヒョンの笑みに、怖くなった。
昨日の夜に何があったの、私たち。
TH「A、おいで」
手招きされて、恐る恐る近付くと。
腕が伸びてきて、一瞬にして視界が反転して。
TH「つかまえた」
華奢な体に見えてやはり男だったらしいテヒョンの腕の中に引きずり込まれた。
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作者名：ミツ | 作成日時：2019年7月21日 20時
