続山姥切国広side ページ8
木にもたれ掛かり彼はそこから動かない。
手遅れだったか…？
頭にそんな言葉が過ぎるが近づく脚を止めはしない。
「君は一体…！」
「ははっ、予想外だぜ…良い驚きだ！」
彼の顔を覗き込む。既に目の焦点があって無い。そろそろ彼の限界が近い。此奴がどこの本丸の者かは分からないが1度本丸に帰還して主に此奴を見てもらおう――…
そう手を伸ばした時、彼の口元が僅かに動く。
『―――――――――……、』
確かに彼はこう言った。
たすけて と。
耳は音にならない呼吸しか拾わなかったが彼の唇はそう紡いだ。
生への強烈な執着。
嗚呼、この男もまだ生きている、生に渇望している。
この俺に其れを求めているのだ。
俺は自身の性からか、彼を死なせたくないと心から思った。必ず助けると自然に口が動いていた。
付喪神として永らく神様をやっている俺たちは元より人間から生み出されたものだ。人に愛され、心を込められ、そういった願いが俺たちを形作る。
だから請われることは幸せに思うし応えたいと感じる。これは付喪神にとっての本能なのかもしれない。
俺は彼を横抱きにし急いで本丸へと帰還しようとした。
「第一部隊、帰還す――…」
「兄弟！ち、ちょっと待って！」
堀川国広が慌てて俺に声を掛ける。
俺は急いでいるのだ、此奴を助けないといけない。歩みを止められたことに苛立ちが募る。
「なんだ兄弟、早くしないと…」
「こ、これ、見て…。」
「…？」
未だに兄弟から驚きの色が消えない。
一体なんだというのだ。
そう思い、視線を下げる。
そこには一振の刀が地面に鎮座していた。
その刀の鞘には月の満ち欠けが記されている。
「三日月、宗近…？」
天下五剣が一振にして1番美しいとされるあの三日月宗近が己の眼に写る。
自然とその刀の名前を呼ぶ声が微かに震えた。
「おいおいマジかよ…。正体不明の刀剣男士を見つけたと思ったら今度は三日月だと？こりゃ、はは、驚きだぜ…。」
鶴丸が少々困惑した声色でそう零す。
今日は幸運だったのか、厄日だったのかは分からない。
しかし、この謎の男と三日月宗近がこの場所で出逢うのは唯の偶然だとは思えなかった。
そう、言うならば必然。
この二振りに課せられた運命だったのかもしれない。
山姥切国広がそう思考する事になるのはそう遠くない未来のことである。
「第一部隊、帰還する！」
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臨海林檎(プロフ) - つっ…続き読みだい…（泣）更新停止なんて悲しい…忙しいのは…知ってるけれど…()……イメ画描いたら…更新来るかな…(白目) (2018年12月26日 22時) (
レス) id: 8a0a48b25e (このIDを非表示/違反報告)
こここ(プロフ) - 臨海林檎さん» そんなことねぇよ…。後から読んだら「此奴何書いてんだ…」ってなるしほんと絵も文も下手やで…。でも読んでくれてありがとう！笑 (2018年12月16日 12時) (レス) id: 2ad47acff4 (このIDを非表示/違反報告)
臨海林檎(プロフ) - …………？！(見に来てみたら文才すげえっていう)こっこ…絵も…文才も…？！天は貴方に二物も三物も与え給うたんだな… (2018年12月14日 21時) (レス) id: 8a0a48b25e (このIDを非表示/違反報告)
こここ(プロフ) - 三日月☆さん» 応援ありがとうございます！更新については気持ちに指先が完全に追いついてないですね（白目）アレコレ書きたいってのはあるんですが…、亀更新になりますが宜しくお願いします！（） (2018年11月12日 7時) (レス) id: 2ad47acff4 (このIDを非表示/違反報告)
三日月☆ - 三日月爺ちゃん…………やさすぃ(^-^)更新頑張ってください！応援しています！ (2018年11月11日 22時) (レス) id: b4078055ec (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：こここ | 作成日時：2018年10月21日 8時
