【刀剣乱舞】この刃生を貴方に捧げる【男主】

第4話『確証』 ページ4

水面に映るイケメン男子は紛れもなく私自身だった。

(ン？ン？ン？ちょっと待て可笑しいぞ私は女な筈なんだがな)

これは流石に混乱する。まさか生まれ持った性別を疑うことになるとは思わなかった。
いやまて私は今まで自分の胸を育ててきたし(結果は聴くな。悲しくなる。)憎き生理も体験してきた。


…あれ？そういえば胸のあたりがスカスカする様な。

…それに股のあたりには私の私がいる様な。


変な汗が背中を流れる。己の手を恐る恐る這わせてみるとあったものが無くなっていて無かったものがあった。

………つまりそういう事だ。


もう遠い目をするしか無い。レッツ現実逃避しよう。というかアレなんだな。
人って本当に驚いた時って声が出ないものなんだなあははー(棒)

も、もう1回確認してみよう。ほら。水面を見てご覧わたし。こんなイケメンが男な訳ない…、男な訳、男……、

(んわァ…、こんな二次創作みたいな展開本当にあるんだァ。知らなかったなァ〜(白目))




自分の姿をよく認識するとコレはある物に、人に酷似していた。

そう。天下五剣が1振り、大典太光世である。

だかしかし大典太光世とコレは全く違う物であった。全く違うというのは少しばかり語弊が生まれるがそうであるとしか思えなかった。


まず、大典太光世という刀は身長190cmという長身であり髪が肩に掛かる位の長髪だ。目つきも鋭く、まるで氷の様な雰囲気をもつ男士であると記憶している。(中身と外見は正反対であるが)

しかしこちらの水面に映るコレはどうだ。

まず髪型。肩に掛かるほどの長さがない。というか一般の青年と同じ様な髪型である。少々前髪が長い位だ。次に目つきであるが、ぱっちり二重の釣り目に見える。これもどう見ても彼とは異なる点だ。
体格も彼と比べて1回りか2回りほど小さく思う。

服装も少しずつ異なる。彼は中に黒いシャツを着ているがコレはパーカーである。それに彼の特徴である赤い縄がコレには首元にチョーカーの様な形で存在しているのだ。


頭が痛い。よく分からない。何故自分がこんな姿に？死んだはずではないのか。

そんな取り留めのない言葉が脳を駆け巡る。



ただこれだけは分かった。
私は大典太光世であって、大典太光世でないものなんだと。

つまり、本体の刀は彼と同じだが、姿形が別の大典太光世であると言うことである。


今、どこにもその確証はない。しかしこれだけは事実なんだと、私の中でこのことだけは揺らがなかった。

第5話『戦闘』→←第3話『曖昧』

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す