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第20話『食事』 ページ22

エプロンを装着しお玉を片手に食事を勧めてくるのがやけに様になっている。


遠くから元気に在り溢れた短刀や大食らいそうな刀達が燭台切や歌仙兼定におかわりの催促をしている。
因みに彼らの夕餉はカレーである。


「はいはい、ちょっと待っててね!」


バタバタと忙しそうに駆けていく彼の背中は正しくママと言っていいだろう。

歌仙も小夜左文字にカレーをよそってあげているようで、見ていてとてもほっこりする光景である。


「かれーが食べたいのか?」


にょきりと視界に入ってくる三日月に動揺する。
勿論、カレーの事ではなく彼との距離と顔の偏差値の高さにであるが。


「しかし、暁は一日寝込んでおるからな。今日は粥だ。我慢しておくれ。」


別に自分だけ粥である事に不満はないが、あの燭台切と歌仙のカレーと聞けば食べたいのが本心だ。


レンゲを手に取り、粥を口に運ぶ。



『(〜ッうっっっま!!)』



療養食ではあるが侮るなかれ。

私の知る卵粥とは全くの別物の様で、疑問すら浮かんでくる。

神様の作る食事には神秘的なナニかが付与されているのか。そうとしか思えないレベルの食事である。


美味しすぎて手が止まらなくなり、次々に腹へ収めていく。
がしかし、突然に粥に何かが入ったようだ。



『(…桜?部屋の中なのに…。)』



残りわずかの粥の上に可愛らしい桜の花弁がふわりふわりと乗っかっていた。

不思議に思い、忙しなく動かしていた手をようやっと止める…と同時に思い出した。


これは誉桜であると。



「ふふっ、ほまれざくらがでていますよ!よっぽどおいしかったんですね!」


彼は口の周りをカレーで汚しながらも満面の笑みである。本当の幼子の様でそれはそれは可愛らしい。

今剣の笑顔に胸を打たれていると周りに散らばっていた自身の誉桜がすぅと消えていった。
時間経過で消えるシステムだったのかとまた新たに知れた刀剣乱舞の世界観に喜びを感じる。


それにしても、嬉しいと勝手に出てしまう桜と言うのは少々厄介である。
自身の気持ちを隠せないのは気恥ずかしく感じる為だ。


そう思いながらもペロリと完食してしまった。

もう食べられないのかと残念に思うが一応自分は病み上がりの病人なんだと言い聞かせて欲を抑える。



「うむ。ちゃんと全部食べられたようだな。身体の方は大事無さそうだ。」


にこやかに此方に声を掛ける三日月であるが、正直彼のよりも目に入る物がそこにある。



『(カレー…食いてぇ…!)』

第21話『追加』→←第19話『質問』



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設定タグ:刀剣乱舞 , 男主 , BL   
作品ジャンル:恋愛
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臨海林檎(プロフ) - つっ…続き読みだい…(泣)更新停止なんて悲しい…忙しいのは…知ってるけれど…()……イメ画描いたら…更新来るかな…(白目) (2018年12月26日 22時) (レス) id: 8a0a48b25e (このIDを非表示/違反報告)
こここ(プロフ) - 臨海林檎さん» そんなことねぇよ…。後から読んだら「此奴何書いてんだ…」ってなるしほんと絵も文も下手やで…。でも読んでくれてありがとう!笑 (2018年12月16日 12時) (レス) id: 2ad47acff4 (このIDを非表示/違反報告)
臨海林檎(プロフ) - …………?!(見に来てみたら文才すげえっていう)こっこ…絵も…文才も…?!天は貴方に二物も三物も与え給うたんだな… (2018年12月14日 21時) (レス) id: 8a0a48b25e (このIDを非表示/違反報告)
こここ(プロフ) - 三日月☆さん» 応援ありがとうございます!更新については気持ちに指先が完全に追いついてないですね(白目)アレコレ書きたいってのはあるんですが…、亀更新になりますが宜しくお願いします!() (2018年11月12日 7時) (レス) id: 2ad47acff4 (このIDを非表示/違反報告)
三日月☆ - 三日月爺ちゃん…………やさすぃ(^-^)更新頑張ってください!応援しています! (2018年11月11日 22時) (レス) id: b4078055ec (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:こここ | 作成日時:2018年10月21日 8時

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