あの子が愛される理由 (ページ48)

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褒めてもらうのも少し恥ずかしくて素っ気なくしてしまうけど本当はとても嬉しい。

その反面ずっとテレビやドラマ、映画に引っ張っりだこの彼女にいつそんな時間あるのかと不思議に思う。

『ねぇちょっと休んでいい？』

織「うん、いいよ」

彼女が壊れてしまったあの頃を近くで見ていたから

今こうやって休んでいい？とか素直に伝えてくれるのは嬉しい。

「私たちってお互い素直じゃないよね」ってAは言うけれど、俺より彼女の方が何十倍も素直だと思う。

ペットボトルを片手に壁にもたれて座っている彼女の隣に座る

『結構みんな振り入ってる？』

織「まぁまぁかな、あじとか湧はほとんど完成してる」

『そっかーじゃあまだまだだな、私は』

どこまで彼女は道を走り続けるのだろう

振り覚えも少年忍者では早い方だから振り付けはほとんど入ってるはずなのに

何がそんなに納得いかないんだろう？

織「最近、忙しい？」

『うーん、忙しいちゃっ忙しいかも。ドラマの撮影もほぼ終盤だけど、スケジュールをドラマに全振りしちゃって雑誌の撮影がちょっと溜まってる』

織「無理しないでよ」

『うん。分かってる。心配してくれてありがとう』

織「あっそう言えばこないだの雑誌良かった…」

『嘘？見てくれたの？』

織「うん。Aが出てるの基本全部見てる」

『そうなの？尚大に見てもらえるの嬉しいわ〜』

織「そんな喜ぶ？」

『そりゃ喜びますよ。だって普段あんまり感想とか伝えてくれないじゃん』

織「たまには素直になるのもいいかなって」

『ふふっ。いつでも素直になっていいんだよ、特に尚大はね。』

素直になるのが苦手でいつもツンツンしちゃうけど

本当はもっと彼女の隣にいたいって思っているし

名前もいっぱい呼んで欲しい。

『前に言ったでしょ？私が代わりになってあげるからもっと甘えていいよって』

織「じゃあこれからもっと甘えていい？」

『うん、いいよ。腕を大きく広げて待ってるから』

そう言ってくしゃっと笑う彼女がとても愛おしく思えた。

これからは自分に素直になってもっと甘えようと思う。