あの子が愛される理由 (ページ47)

今日:30 hit、昨日:13 hit、合計:93,927 hit

素直になるのもいいもんだページ47

．

O.nao side

『尚大』

『ねぇ、尚大』

『尚大ってさ〜』

普段から俺のことを下の名前で呼び捨てする人は滅多にいない

むしろ下の名前で呼ばれるのは何故か恥ずかしくて好きじゃない

でも彼女は入所した時からずっと下の名前で呼んでくれる

織「はいはい、いいから尚大って呼ぶな」

いつも素っ気なく強がって返してしまうけど

Aに呼ばれるのは結構好きだったりする。

そんなこと本人は直接言えないし、メンバーからは揶揄われそうで言いたくない。

けど、彼女に名前を呼んでもらえると特別な気分を味わっているような感覚になる。

『尚大って、ねぇ聞いてる？』

織「あぁごめん。なんだっけ？」

『ここの振り付け教えて欲しいんだけど』

織「そこね、えっとそこは…」

新曲の振り入れの真っ最中

常に多忙な彼女はみんなと振り入れする時間にいないことが多く後日マンツーマンみたいな形になる。

織「ここはこう、分かった？」

『うん、分かった。ありがとう』

誰が一番とか比べちゃいけないのは分かっているけど

彼女は誰よりも努力家だと俺は思っている。

何にしろ自分の気が済むまで追求しないとダメなタイプ。

彼女の頭の辞書の中に「中途半端」なんて言葉は存在しないと思う。

それくらい真っ直ぐな人間。何においても。

真っ直ぐな人間だから、言葉も真っ直ぐに伝えてくれる。

例えば、『あの雑誌良かったよ』とか『あの雑誌の写真かっこよかったよ』とか『ドラマ面白かったよ』とか

俺が出てる雑誌とかドラマとか観てくれて連絡もくれたり直接伝えてくれたりする。

彼女からの言葉が活動する中での大きい支えでもある。