キミの記憶を失う日まで (ページ8)

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いつかこの気持ちを伝えられる日は来るのだろうか？

そんなことを考えているうちに1年が経ってしまった。

もう誕生日を迎えた彼女はお酒を飲んでいて

どれくらいお酒に耐性があるのかは分からない

しかし顔が少し赤くなっているのは俺の席からも確認できた。

「次、2次会行く人ー！」

酔っ払った先輩が声を上げてぞろぞろと人がその先輩に着いていく中、彼女は用事があると言って2次会を断っていた。

「うっちー、ごめん。俺も帰るわ」

「え〜なんで〜？深田帰るの〜」

「すいません。うっちーお願いします！」

先輩たちにうっちーを任せて

俺は彼女の姿を探しに走り出した。

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「あっいた」

駅の近くには繁華街があってその手前を歩いているAの元へ駆け寄る

「もう帰るん？」

「ちょっと！びっくりした〜」

背後から声を掛けると驚いた反応も可愛いく思える

「途中まで送るよ」

「ありがと」

あの日、あの夜は月が満月でとても綺麗だった。

ただすら君の存在が恋しかったんだ。

「あっこっち、人少ないから通りやすいかも」

なんて言って人通りが少ない道に君を誘う

今日なら気持ちを伝えられるんじゃないかって思った。

「ねぇ」

「ん？」

振り向いた君の肩を抱いてふいに盗んだ唇

唇が離れてからお互い時が止まったように身体がぎこちなくなる

風が吹き抜けて辺りがしーんと静まった 

何も話さないこの時間が気まずい

かといって冗談を言う気にはならない

この空気が怖かったんだ  しなければよかったって

君の顔を見ると静かに流れる涙が綺麗だと思ってしまった。

「いやっあの」

言い訳するのは見苦しいかもしれない

「ごめん」

君から出てきたその言葉は何に対して何だろう？と疑問が頭の中を駆け巡る。

俺に謝ると駆け足で去ってしまった彼女

その姿に自分がしたことの重さに気付かされる。

反省してしまうくらいならあのまま送るべきだった。

君とあれから話さなくなってもう目すら合わせてもらえない

あの時、君にキスをしなければ

今頃、僕たちは恋人にでもなれたんだろうか？

そう考えたって手遅れだ。