キミの記憶を失う日まで (ページ17)

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彼女のために高校生になって始めた居酒屋のアルバイト

時給もいいし、周りも同世代ばかりで楽しみながら働けてる

「黒ちゃん、これ3番にお願い〜」

「はーい」

キッチンを担当している湧に呼ばれて料理を取りに行くと
同時に入店のチャイムが鳴って「いらっしゃいませ〜」と挨拶をする

でも入ってきたその姿に身体が固まる

だって、そこにはいつも応援している彼女がいたから。

「黒ちゃん？」

「あっいや。ごめん。3番ね」

いつも通りのふりして湧に頼まれた料理を他のお客さんの元へ運んでいく。

バイト先にいつも応援しているAちゃんがいる

その事実だけで胸が早く脈を打っているのが分かった。

居酒屋にアイドルがいるのにみんなは平然としている。

ただ俺だけが緊張している空間。

「黒ちゃん、さっきから9番の子めっちゃチラチラ見てんじゃん」

「えっ？」

「まぁ確かに黒ちゃん好みの女の子ではあるよね」

「うっせ、早くオーダー行けよ」

黒ちゃん怖い〜なんて言って笑いながらうっちーはホールに出て行った

彼女が来店してそれなりに時間が経ち

良い時間になったのか会計をして出て行った

Aちゃんが座っていたテーブルに片付けにいくと

スマホを忘れているのに気付いた俺は手に持って店を飛び出した。

店を出ると少し離れた距離を歩いているAちゃんの姿を見つけた