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20歳で12月生まれ、都内にある大学の教育学部の3年生
よく周りからはポンコツだと言われる
小学生の頃からバレーボールをしていた
大阪から上京してきて一人暮らしをしている
先生から聞き出せた情報はこれだけだった。
「へぇ〜将来は先生になるの？」
「うん、なろうかなって思ってる」
「何の先生を目指してるの？」
「まだ悩んでるんだよね〜自分が本当に先生になれるのかなとも思ってる…」
「先生ならきっとなれるよ」
「ありがとう、ほら勉強するよ」
一瞬悲しい顔をした先生には気付かないふりをして勉強に意識を向ける
その顔がどういう気持ちからなのかは分からない
いつか分かる時が来ればいいそう思っていた。
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春になって先生はしばらく家庭教師を休むことになった
母親に聞いたら就活が忙しくて難しいという理由だった
先生がいない日々は退屈で大好きなダンスもやる気が出ない
それくらい先生が俺の中で大きくなっているのが分かった
「あっ」
ダンスの帰り道、駅のホームで電車を待っていると
普段、会うはずのない先生と初めて会った。
「久しぶりだね。元気？」
「はい。先生は？」
「まぁまぁかな」
「就活が忙しいって聞きました」
「周りが決まっていくのに焦っちゃって空回りしてってそんなのの繰り返しでずっとバタバタしてる」
なんて言葉をかけたらいいか分からなくて出たのが
「大変ですね…」
ありきたりな言葉だった
「だからね、尚大くんがたまに羨ましく見えるんだよ」
「え？」
「ダンスの話している時の表情凄い明るくて好きって気持ちが伝わる」
初めて知れた彼女の言葉が嬉しかった
先生の中に少しでも存在していることが何より嬉しい
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作者名：天伽 | 作成日時：2022年11月9日 17時
