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「頭が上がったあいつが黒田だ」
『あっはい』
先生に黒田という人を教えてもらい、彼の隣の席に座る
「君、見ない顔だね」
『えっ…あっ』
座った途端、話しかけてきたのは彼だった。
「ふはっ緊張してるの？」
『まぁ久しぶりなもんで…』
「さっき、伊藤におかえりとか言われてたけど学校来てなかったの？」
『うん、ちょっと調子が悪くて学校来れなくてさ』
「へぇ〜」
聞いてきたのに興味なさそうな返事をされた。
そこで彼との会話は終わった。
休み時間になると沢山の同級生に囲まれた。
まるで転校生のような気分だった。
「A、大丈夫なの？」
『うん、大丈夫になったよ』
中学入学から一緒だった子たちには休学の理由は体調不良だと伝えてあった。
病気であることは伝えなかったし、伝えたくなかった。
みんなと同じ、普通の生活を少しでも送りたかったから。
『休んでた間、色々ありがとね』
「Aの元気な姿また見れて良かったよ」
元気な姿か…今の私は元気なんだ。
何も知らない彼に対して思う事じゃないのは分かってる。
「檜山、一番寂しがってたじゃん」
「うるせぇ、言うな」
白い肌を赤く染めた彼には休学中、たくさん助けられた。
テストや授業も私と学年が上がれるように。
「ってか、黒田に話しかけられてたけど大丈夫だった？」
『大丈夫だったって？』
「あいつ、めっちゃ女癖悪くて所謂遊び人みたいな？感じ」
『そうなんだ』
「あいつに食われないように、気をつけてね」
『多分大丈夫だよ笑』
これからの人生を過ごすのに決めたことがあった。
異性だけは好きにならないと。
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作者名：天伽 | 作成日時：2022年4月11日 16時
