彼女は僕を好きにならない。 (ページ9)

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一緒に池袋に出かけた日から遠藤さんは僕に話しかけるようになった。

「僕と一緒にいていいの？」

「仕方ないじゃん、このクラスに友達いないんだもん」

「そっか」

僕は読んでいる本に目を移した。

「冷たいなぁ〜」

それから僕は遠藤さんと一緒に過ごす時間が増えた。

休み時間もたまにはお昼も。

高嶺の花だと思っていた遠藤さんは意外にもよく喋る人でイメージが180度変わった。

僕の前ではよく笑いよく話す彼女を

好きになるのに時間はかからなかった。

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いつも通りの帰り道

今日はあじが委員会だから、深田と二人で帰る。

「ねぇねぇうっちーくん」

「なに」

「5月のゴールデンウィークの初日さ、俺と安嶋くんと安嶋くんの彼女と安嶋くんの彼女の友達と富士急ハイランドに行こうってなっててさ、うっちーくんも来るでしょ？」

「うん、行くよ」

「でさ、うっちーくん、遠藤さん誘ったら？」

「えっ」

「だって、うっちーくん遠藤さんのこと好きでしょ？」

「いや…」

「俺らうっちーくんのために動いたんだから！」

「でも、遠藤さん俺しか話す人いないじゃん…それはそれで可哀想だよ」

「だからだよ！うっちーくんと遠藤さんをくっつけさせるため！」

なんとも強引な深田に押すに押され

「分かった、遠藤さん誘っとくよ」

ゴールデンウィークの初日の予定を埋めてしまった。