S.tiger【病系短編集】6

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Side松倉


倉「ちゃか！」


公演が終わって裏にはけた瞬間、目の前を歩いていたちゃかがその場に崩れ落ちた。なんとかちゃかの体を受け止めた俺のところに、元太が駆け寄ってくる。


元「ちゃか！大丈夫！？」

倉「元太…！ちゃか、すごい熱だよ…。」

元「俺、スタッフさん呼んでくるわ！」

ちゃかのこと見てて！と言葉を残して、元太はライブ終わりとは思えない速さで走っていった。









結局、その後ちゃかはマネージャーに連れられてすぐに病院に連れて行かれた。でも、遠征先だし夜ってこともあって、病院でも大したことはしてもらえなかったらしい。

点滴の後薬をもらって、すぐホテルに帰ってきたって元太が電話で教えてくれた。



倉「……ん？ていうか、なんでちゃかが帰ってきたこと元太が知ってんの？」

元「え？だってちゃか、今は俺の部屋にいるし。」

倉「まじ！？」


「今日は俺が看病するから。」なんて少し自慢げな声がスマホから聞こえてくる。なんでだよ、絶対マネージャーと一緒の方が安心じゃん。


倉「…い、今そっち行くから！」

元太一人じゃ、なんか不安だ。


俺は電話を切ると、ホテルの売店で必要そうな物を買って元太の部屋に向かった。



倉「元太！俺！」

元「バカ、声でけえよ…！ちゃか、せっかく今寝れてるのに。」

あきれた表情の元太が、部屋のドアから顔を出す。


倉「あ、ごめん…。」


抜き足差し足で部屋に上がると、ちゃかは赤ちゃんみたいな顔でぐっすり眠っていた。

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