S.tiger【病系短編集】6

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Side松倉


宮「もう少しで帰れるからね、」


ちゃかの優しい声に、涙を拭きながら頷く。




昼間からどんどんひどくなっていった吐き気。病院に行ったら、ノロウイルスだって言われた。


点滴をしてもらってる間にだんだん吐き気は治まってきたけど、今度はお腹がゴロゴロしてきちゃって。帰りの車の中で、俺はひたすら腹痛と闘っていた。





龍「…まつく、着いたよ。」


しめの声に、少しだけ顔をあげる。俺はしめとちゃかにお礼も言えないまま、すぐに車を降りて家のトイレに駆け込んだ。




宮「松倉？大丈夫？」


しばらくトイレにこもっていると、ドアの外から遠慮がちに声がかけられた。水を流してトイレから出ると、マスク姿のちゃかとしめが立っていた。


倉「もう、やだっ……」

龍「う〜ん、まだよくならないか…。」


早くよくなれっておまじないみたいに何回も言いながら、しめが優しく頭をなでてくれる。俺は腹の痛さでわけがわかんなくなって、泣きながらしめの胸に頭をぐりぐり押し付けていた。




宮「松倉。ずっとトイレにいても体冷えちゃうしさ、一回休まない？」

ちゃかの提案に頷いて、ベッドに移動する。一日中戻したり下したり体力を使っていたからか、横になると案外すぐに眠気がやってきた。





倉「んぅ…。」


それでも、ずっと寝てることはできなかった。寝てもすぐに腹が痛くなるから、寝ては起きての繰り返し。


俺がトイレに起きるたびに、ちゃかかしめが起きてトイレまで連れてってくれたり水分を取らせてくれたりした。



宮「大丈夫、もう少しでよくなるよ。」

ちゃかは、そう言って泣きじゃくる俺をなだめながら涙をぬぐってくれた。

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