・ ページ30
「うわ、なんだあれ…。」
近道をしようと入った、普段は通らない小さな裏道。俺が進もうとしてる先に、たむろする人影がぼんやりと見える。
…多分これ、関わっちゃいけないやつだ。見た感じめっちゃ不良だもん。
俺は目を合わせないように下を向くと、そのまま早足で人影の横を通り抜けようとした。
「…ねえ、おにーさん。」
通り過ぎた瞬間聞こえて来た低い声に、思わず足を止めてしまう。ダメだ、こういうのは無視しないと…。
「無視しないでよ〜。」
「っ！？ちょ、やめてください！」
後ろから急に腕をつかまれて、思わず振り向いてしまう。相手は想像以上に背が高くて、俺を見下ろしながら気味の悪い笑みをうかべた。
「…おにーさん、めちゃくちゃかわいい顔してんじゃん。」
グッと顔を近づけられた瞬間、心臓がドクンとはねるのを感じた。
見下ろされる圧迫感。明らかに自分より力の強い相手の威圧的な視線。
嫌でも昔の記憶と重なって、気づけば体の震えが止まらなくなっていた。
「なに震えちゃってんの？(笑)」
「おにーさん、俺らと遊ぼうよ。…だいじょーぶ、痛いことしないから。」
いつの間にか逃げ道をふさがれてる。どうしよう、どうしよう、
「っハァハァハァ…」
どうしよう、息がうまく吸えない。頭がグラグラする…。
完全にパニックになってしまった俺は、立っていられなくなってそのまましゃがみこんだ。
「たすけ、て、げんた…」
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 223人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「オリジナル」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
おさと(プロフ) - おもちさん» おもち様、はじめまして！コメント、とても嬉しく励みになります…！ありがとうございます！！これからも少しずつ更新してまいりますので、ぜひお付き合いのほどよろしくお願いいたします！ (2022年1月26日 16時) (
レス) id: c1210c5b99 (このIDを非表示/違反報告)
おもち - はじめまして！更新ありがとうございます。密かに読ませていただいてました。2人の関係性とても素敵です。これからも更新楽しみにしています！ (2022年1月25日 21時) (レス) @page32 id: 5462cacf1f (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：おさと | 作成日時：2021年10月3日 10時
