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俺が、海斗の近くにいたかった。
そう言って涙を流す元太を見て、俺は小さいころに考えていたことを思い出していた。
「…元太は、やっぱヒーローだな。」
「え？俺が？」
驚きで裏返った元太の声に、笑いながらうなずく。
元太はヒーローみたい。
小さいころ、本当に心の中で思ってた。元太は、小っちゃくて弱っちい俺をいつも守ろうとしてくれていたから。
今だって、「海斗はやってない」って元太はまっすぐ俺を信じてくれた。俺が言葉にする前に。
あの頃、元太が近くにいたら必死に俺を守ろうとしてくれたんだろうな、なんてあるはずない「もしも」がどうしても頭をよぎってしまう。
「……じゃあ、俺のヒーローは海斗だな。」
「へ？…俺、が？」
予想してなかった元太の言葉に、今度は俺が素っとん狂な声をあげる。そんな俺を見て、元太は淡い笑みをうかべた。
「…2種類。」
それだけ言って、元太が指を2本立てる。その意味が分からなくて、俺は思わず首をひねった。
「俺から離れてくやつと、そばにはいるけど俺のことかわいそうな目で見るやつ。俺の周りって、そのどっちかだったんだよ。」
元太は苦笑いしながら、軽く前髪をかき上げた。
「人ってこんなもんかよって思ってた。中学も高校も大学も、休んでばっかの俺とマジの友達になるやつなんかゼロだし。学校で発作起こした後なんか、みんな一発で離れたな。怖いって。」
まあ気持ちはわかるけど。と言いながらうつむく元太の表情は、引っ越しが決まったあの時の表情にそっくりで。
あぁ。そういえば、元太は人一倍寂しがり屋だったな。
今さら、そんなことを思い出していた。
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おさと(プロフ) - おもちさん» おもち様、はじめまして！コメント、とても嬉しく励みになります…！ありがとうございます！！これからも少しずつ更新してまいりますので、ぜひお付き合いのほどよろしくお願いいたします！ (2022年1月26日 16時) (
レス) id: c1210c5b99 (このIDを非表示/違反報告)
おもち - はじめまして！更新ありがとうございます。密かに読ませていただいてました。2人の関係性とても素敵です。これからも更新楽しみにしています！ (2022年1月25日 21時) (レス) @page32 id: 5462cacf1f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：おさと | 作成日時：2021年10月3日 10時
