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「でも、周りの人は全然信じてくれなかった。………家族も、」
人を階段から突き落とすなんて、なかなかの事件だ。話はすぐに広まって、学校だけじゃなくて家族にも伝わってしまった。
「俺、母親に言われたんだ。向こうの親御さんに一緒に謝りに行こうって。…今ならわかるよ。息子が他人の子供突き落としたって聞いたら慌てるだろうし、当然そうなるよなって。」
でも、その時はショックだった。やったのは自分じゃないって、大好きな家族にだけは信じてほしかったのに。
「学校にもいづらいし、人の目も気になるし。なんか俺、ここにいちゃいけないのかなって思ってさ。隣町の親戚のとこに住んで、高校はそっから通ったし、大学はもっと遠いとこに行った。」
結果的に、俺はあの街から逃げたんだ。ただ、それだけの話。
「…ごめん。こんな話して、」
元太はうつむいたまま何も言わない。
俺、嫌われたのかな。やっぱりこんな話、しない方がよかったのかも。
後悔で体がこわばり始めたとき、フワッと元太の匂いが俺を包んだ。
「…ごめん、海斗。ごめんっ、」
「元太…？」
耳元で元太がすすり泣く音が聞こえる。俺が戸惑っていると、俺を抱きしめる元太の腕にキュッと不自然な力が入ったのを感じた。
「かい、と。俺っ…！っ…」
「ちょ、元太？一回落ち着いて。苦しくなっちゃってるでしょ？」
苦しそうに上下する元太の背中を、慌ててさする。
「大丈夫？一応薬…」
俺の声に、元太は首を横に振った。息を整えながら、何か言おうと必死に口を動かしている。
「っはぁ、サイテー、だ…」
「え、？」
「海斗、辛かったのに、俺、ッハ…そばに、いられなか、った…」
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おさと(プロフ) - おもちさん» おもち様、はじめまして！コメント、とても嬉しく励みになります…！ありがとうございます！！これからも少しずつ更新してまいりますので、ぜひお付き合いのほどよろしくお願いいたします！ (2022年1月26日 16時) (
レス) id: c1210c5b99 (このIDを非表示/違反報告)
おもち - はじめまして！更新ありがとうございます。密かに読ませていただいてました。2人の関係性とても素敵です。これからも更新楽しみにしています！ (2022年1月25日 21時) (レス) @page32 id: 5462cacf1f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：おさと | 作成日時：2021年10月3日 10時
