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「でも海斗はやらなかった、でしょ？」
元太の声に顔をあげると、悲しそうな顔をした元太と目が合った。
「海斗、もう無理してしゃべんなくていいよ。」
元太がゆっくり俺の背中をさすってくれる。その時初めて、俺は自分の呼吸が相当速くなっていたことに気づいた。
「元太、ハァ、ありがと。…でも、もう少しだけ話させて？」
ふぅと息を吐いて、呼吸を整える。俺はまた、ゆっくりと口を開いた。
「ちゃかの顔見て、はっきりわかったんだ。ちゃかを傷つけるなんて絶対できないって。だから、そのままちゃかのこと帰そうとした。でもっ…」
ここにきて言葉が詰まる。俺は、のどに引っかかった声を無理やり押し出した。
「…あいつらが、ちゃかを階段から突き落とした。あいつら、上に隠れてたんだ。」
頭の中に、あの時の光景がよみがえる。階段を降り始めたちゃか。後ろから急に伸びてきた誰かの手。
そしてあの時、真っ白になった俺の頭に響いたのは、
「……松倉が、ちゃかを突き落としたってっ。あいつら、叫びながら職員室に走っていったんだ…！」
他に見ていた人もいなかったから、先生もすぐにそいつらの言葉を信じて。
俺は、ちゃかを突き落とした犯人にされたんだ。
「ちゃか、足骨折しちゃって。大事なダンスの大会に出られなくなったんだ。なのに、ちゃかは全然俺のこと責めないでくれた。」
「…当たり前だろ。だって、やったのは海斗じゃないんだし。」
かすれた声で元太がつぶやく。俺はその声にかぶりを振った。
「後ろから急に押されたから、ほんとはちゃかも押したやつが誰かなんて見えてなくて。それでも、押したのは松倉じゃないって言い続けてくれたよ。」
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おさと(プロフ) - おもちさん» おもち様、はじめまして！コメント、とても嬉しく励みになります…！ありがとうございます！！これからも少しずつ更新してまいりますので、ぜひお付き合いのほどよろしくお願いいたします！ (2022年1月26日 16時) (
レス) id: c1210c5b99 (このIDを非表示/違反報告)
おもち - はじめまして！更新ありがとうございます。密かに読ませていただいてました。2人の関係性とても素敵です。これからも更新楽しみにしています！ (2022年1月25日 21時) (レス) @page32 id: 5462cacf1f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：おさと | 作成日時：2021年10月3日 10時
