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「…あ、やべ。忘れ物した。」
駐車場に着いて、目的地に向かって歩き始めたとき、急にしめが立ち止まった。その目は、見てるこっちが可笑しくなるくらい泳ぎまくっている。
「ごめん！すぐ追いかけるから、先行ってて！」
そう言うと、しめは俺と元太の返事も待たずに来た道を戻り始めてしまった。
「…じゃあ、先行くか(笑)。」
苦笑いを浮かべながら、元太が言う。きっと、元太もしめの下手くそな嘘に気づいているんだろう。
俺は、元太の声に笑顔でうなずいた。
「海斗。」
「ん？……え、なに？(笑)」
俺の一歩前を歩き始めていた元太が立ち止まったと思ったら、俺に向かって急に右手を差し出してきた。
「え、海斗覚えてねえの？昔俺と海斗の家族で蛍見に行ったとき、夜だから暗かったじゃん？それで、海斗がこけて泣いちゃってさ。そっからずっと、俺が手つないでたじゃん。」
「いつの話してんだよ(笑)。もう大人だし、手つなぐとか恥ずいだろ。」
元太は少し寂しそうに「そっか。」とつぶやくと、右手を引っ込めてまた歩き出した。
そこからは、お互い驚くほど静かだった。せいぜい蛍を見つけたときに、すげえ。とか声をあげるくらい。
こんなにテンションが低いのは、多分俺たちが大人になったせいでも、昔より蛍の数が減ったせいでもない。
覚悟を決めた俺は、足を止めて大きく息を吸った。
「元太。あのさ、」
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おさと(プロフ) - おもちさん» おもち様、はじめまして！コメント、とても嬉しく励みになります…！ありがとうございます！！これからも少しずつ更新してまいりますので、ぜひお付き合いのほどよろしくお願いいたします！ (2022年1月26日 16時) (
レス) id: c1210c5b99 (このIDを非表示/違反報告)
おもち - はじめまして！更新ありがとうございます。密かに読ませていただいてました。2人の関係性とても素敵です。これからも更新楽しみにしています！ (2022年1月25日 21時) (レス) @page32 id: 5462cacf1f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：おさと | 作成日時：2021年10月3日 10時
