☆ ページ14
Side七五三掛
「急にお呼び立てしてしまい、申し訳ございません。」
そう言って、俺の目の前にいるその人―川島先生？は、頭を下げた。
「別にそれはいいんですけど…。俺に何か用ですか？」
「今日はあなたにお渡ししたいものがありまして。…元太の体調について、注意していただきたいこと等をまとめたものです。」
状況が全く読めなくて首をひねっていると、先生はさらに言葉を続けた。
「元太が蛍を見に行くというお話、連れていかれるのはあなたですよね？」
「まあ、そのつもりでしたけど。でも、その話ならあなたに許してもらえなかったって、まつく……松倉から聞きましたよ。」
「それなら、先ほど元太に許可を出しました。今ごろ、元太から松倉さんにも伝わっていると思います。」
…え、めんどくさ。オッケーなら、最初っからそう言ってあげればいいのに。
なんて不満は飲みこんで、俺は渡されたメモに視線を移した。うわ、漢字多…。
「…あの、なんで俺なんですか？こういうのは、俺より松倉の方が気を付けられると思いますよ。」
「元太の希望です。病気について、松倉さんにだけは自分の口で伝えたいと。…それに、あなたが一番年長ですよね？責任は、しっかりもっていただきたいんです。」
「…わかりました。わかりましたけど、」
「けど？」
「…俺、先生とは仲良くなれなさそうです。」
俺の言葉を聞いた先生は、軽く首をひねって「私もです。」とだけ言った。
「…あの、」
話が終わって俺が立ち上がると、先生が急に俺を呼び止めた。
「まだ、何か？」
「…その、あれから体調はいかがですか？元太が運ばれてきた日、あなたの様子を見ていて少し気になったので。」
「え？えっと、それは、どういう……」
「私の勘違いだったらすみません。…ただ、ああいう突発的な事態は、」
そこまで言うと、先生は口を閉じて何かを考える顔になった。
「…いや、やっぱりいいです。お時間を頂戴してしまい、申し訳ありませんでした。」
では。と短い挨拶を残して、先生はそのまま立ち去ってしまった。
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おさと(プロフ) - おもちさん» おもち様、はじめまして！コメント、とても嬉しく励みになります…！ありがとうございます！！これからも少しずつ更新してまいりますので、ぜひお付き合いのほどよろしくお願いいたします！ (2022年1月26日 16時) (
レス) id: c1210c5b99 (このIDを非表示/違反報告)
おもち - はじめまして！更新ありがとうございます。密かに読ませていただいてました。2人の関係性とても素敵です。これからも更新楽しみにしています！ (2022年1月25日 21時) (レス) @page32 id: 5462cacf1f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：おさと | 作成日時：2021年10月3日 10時
