S.tiger【病系短編集】番外編

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Side松倉


龍「…しん、どい。」

倉「え、？」


龍「もう、しんどいよっ。もういっぱいいっぱいだし、今やってるのが、ハァ、正解かも、わかんないしっ…」


せっかく落ち着いた呼吸が、また速くなっていく。俺は慌ててまたしめの背中をさすり始めた。


龍「っごめん、俺、が、ハァハァ、こういうこと、言わない方が、いいって、ケホッ、わかってたのに…」



涙を見せたくないのか、しめはしつこいくらい必死に目元をぬぐってる。そのせいでどんどん赤くなる目が痛々しくて、俺は思わず涙をぬぐうしめの手を取った。


倉「…しめ、もういい。もういいよ。」



ガクッとしめの体から力が抜ける。しめの体を支えきれなかった俺は、そのまましめと一緒にしゃがみこんだ。



倉「…しめの気持ち聞けて、ちょっと安心した。正直、俺も同じ気持ちだったからさ。」

龍「まつく、も？」

倉「うん。多分みんな同じだと思うよ。みんな、しめが思ってる以上にパンクしてると思う(笑)。」


しめが驚いたように目を見開く。俺はまっすぐしめの目を見つめた。


倉「…泣いたっていいじゃん。多分今は頑張り時ってやつだし、無理しなきゃいけないこともあるけどさ。せめて、弱音吐いたり思いっきり泣いたりしないと。…じゃないとお前、このまま壊れちゃうよ…。」



このまま、離れて行ってしまわないように。


俺は、まだ忙しなく上下しているしめの肩を抱き寄せた。

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