S.tiger【病系短編集】番外編

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Side松倉


倉「如恵留は？如恵留も一緒に探そうよ。」

俺がそう言うと、如恵留は少し寂しそうに笑った。


如「俺は、ここで待ってようかな。…ほら、もしかしたらすれ違いで戻ってきちゃうかもしれないし。」

倉「そっか…。じゃあ、俺行ってくるわ。」

如「お願い。」


如恵留の声に頷くと、俺は急いでレッスン室を出た。








倉「しめ、どこに行ったんだよ…！」


しめがいそうな所を探し回ってるんだけど、なかなか見つけられない。俺は、上のフロアに移動しようと階段を上り始めた。



倉「ん？あれって……」

階段の上の方に落ちていたのは、黒いキャップ。…これ、今日しめがかぶってたやつだ。


嫌な予感がした俺は、キャップを拾い上げるとそのまま一気に階段を駆け上がった。




倉「…しめ！」

階段を上り切ると、そこには力尽きたように座り込むしめの姿があった。駆け寄ってみると、その呼吸は明らかにおかしくなってて。


龍「ハァハァ、まつ、ゲホッ、くっ、」

倉「う、うん。俺だよ、しめ。ゆっくり、ゆっくり息して、」

龍「っな、ゲホッ、なん、で、きっ、、ヒッ、」


俺も稽古中に過呼吸になったことがあったから、その時のことを思い出してゆっくりしめの背中を押してみる。でも、なぜかしめは何度も俺から離れようとしてて。




如恵留。俺、しめに喜ばれるどころか嫌がられてる気がするんだけど……。

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