S.tiger【病系短編集】番外編

〇鎖（赤×白） ページ13

ちゃか×のえる


・リアル設定

※今回は、少し重ためのお話になります。閲覧の際は、ご注意ください。





Side宮近


汗って、美しいんだな。



最近、踊っているメンバーを見るとそう思うようになった。




でも、俺は一緒に汗を流すことができない。





俺は、少し前に難しい病気を発症してしまった。


症状は人によるらしいけど、俺の場合は片足が上がらなくなったのが最初だった。

調子のいいときは少し踊ったりもできるけど、悪いときは手足が動かしにくかったり、体がふらついたりする。


しかも、俺の場合は体温が上がると体に力が入らなくなる症状もあるから、調子がいいときも激しすぎる運動はできない。








如「ちゃか、大丈夫？」


いつの間に休憩に入っていたのか、見学していた俺にメンバーが近づいてきて、次々と声をかけてきた。


額にキラキラした汗を浮かべたメンバーの顔は、充実感にあふれてる。俺は、そんなメンバーの顔をまともに見られなかった。




宮「…ごめん。俺、今日はもう帰るわ。」


なんで？調子悪い？


俺の言葉に、メンバーがいっせいに慌てだす。



こうやって心配してくれるメンバーの優しさも、今は受け取る気分になれなかった。



如「俺、送っていこうか？」

宮「大丈夫。マネージャーに家まで送ってもらうから。」

そう言って、俺は自分の荷物をまとめ始めた。

・→←・

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す