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「海人、帰ってきたならインターホン鳴らしなさいよー。」
海「は？実家なんだから好きにさせろよ。」
「うわ、相変わらず口悪いね。そんなんじゃ円満な家庭は築けないよ〜。」
兄ちゃんと同じハート形の唇をわざとらしくすぼめながら、母親がリビングのテーブルに着く。そのまま、テーブルの上の辞典と同じくらい古そうなノートを広げた。
海「…その辞典、母さんが使ってたの？」
「うん。」
海「なんで。」
「スピーチ書くから。母さん勉強嫌いだし、漢字もわかんなくて。」
スピーチって何の？と言いかけて、俺は口をつぐんだ。まさか、と思いつつ、嫌な予感がする。
海「…式のスピーチとか、言う？」
「言う。」
海「そんなの親父に任せとけよ。大体親のスピーチなんて、」
「私じゃないよ。りゅうのスピーチ。」
何でもなさそうに答えた母親の口の端が、ニヤリと持ち上がる。数秒置いて、はあ！？と素っ頓狂な声が出た。
海「え、ちょ、は！？待って、なんで！？」
文章を考えることはできたとしても、筋緊張がひどくて上手く話せない兄ちゃんにとってスピーチは絶望的だ。あわあわしている俺に、母親はさらに追い打ちをかけてきた。
「りゅうがやりたいって言ったの。弟の結婚、お祝いしてあげたいもんね？」
海「え！？」
兄ちゃんの方を振り返ると、その顔にはまんざらでもなさそうな笑みが浮かんでいた。白くて細い手足の動きが、もっと大きくなる。
龍「…うぉ、お、め、…っと！」
１か月先の俺の結婚式を前に「おめでとう」の盛大なフライングをかました兄ちゃんの目には、やる気がみなぎってる。
変なところで大胆で、チャレンジャーな母親の性格。それを受け継いでるのは、俺じゃなくて生まれつきのハンデと向き合ってきた兄ちゃんの方だってことを、俺は久しぶりに実感していた。
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雅 - ↓もしよろしければ書いていただけると嬉しいです。ご検討のほど宜しくお願い致します。 (2022年10月30日 21時) (
レス) id: 7d488f5410 (このIDを非表示/違反報告)
雅 - 赤が酷いトゥレットに苦しむお話。白目を剥いたり、身体が勝手に暴れたり、大きな声が出たり、意味のわからない声を出し続けたり、首振りが止まらず吐いたり。症状でストレスが溜まり、ストレスで症状が悪化する負のループ。友達も出来ず双子の黄だけが唯一の味方。 (2022年10月30日 21時) (レス) id: 7d488f5410 (このIDを非表示/違反報告)
こまち - そして貯めたお金で誕生日プレゼントを買おうとしていた。しかし何も知らない桃はその日も緑を叱る。そして翌日。プレゼントを買った緑はバイトを終え急いで帰ろうとし交通事故に遭う。病院に駆けつけた桃は冷たくなった緑と対面。全ての事実を知った桃は泣き崩れた。 (2022年10月26日 18時) (レス) id: e020254286 (このIDを非表示/違反報告)
こまち - 桃×緑(兄弟)のお話をお願いします。早くに親を亡くし2人で暮らす。弟の緑は最近夜遅くまで帰ってこず桃との関係はピリピリ。でも実は家計が苦しくても自分を養ってくれる桃のため学生の緑は複数のバイトを掛け持ち夜遅くまで働いていた。→ (2022年10月26日 18時) (レス) id: e020254286 (このIDを非表示/違反報告)
ぺえ(プロフ) - こんばんは！リクエスト失礼します🙇🏻♀️「やさしいひと」がすごく好きなので、同じ設定でまたお話書いていただきたいです！よろしくお願いします、おさと様のペースでこれからも更新頑張ってください、楽しみにしてます！ (2022年10月26日 0時) (レス) id: 8c7e5fe0be (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：おさと | 作成日時：2022年10月16日 19時
