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閑「うぅ…、あぁ、」
マッサージの手を足の方に移しても、兄貴のうめき声は止まる気配がない。俺は仕方なく捲りあげた布団を元に戻してから、半開きになったままの口元を拭った。
閑「…んぅ、！」
海「なーに？どうしたの？」
しらばっくれてみたけど、兄貴の不満そうな声の原因はもうわかってる。
今兄貴の口を拭いたタオルは、実は兄貴のお気に入りじゃない。お気に入り素材のタオルは2枚あるけど、１枚は洗濯中だしもう１枚も多分まだ生乾き。やっぱり兄貴の鋭すぎる感覚はごまかせなかったか、と俺は心の中でため息をついた。
海「…わかったよ。今持ってくるから。」
体の痛みもあってかご機嫌ナナメの兄貴を残して、洗面所に向かう。
室内物干しにかかっているタオルは、触ってみると思ったよりちゃんと乾いていた。
せっかくだから、一緒に干していた他の洗濯物もいくつかたたんでしまうことにする。ほとんどは兄貴のものだけど、その中に１枚俺のTシャツが混ざっていた。
海「やっば…」
手に取ったTシャツのヨレヨレ具合に、思わず苦笑いがもれる。
兄貴の体が不自由になってから、家族で割とうまく分担してきたはずの兄貴の世話は全然回らなくなった。
誰かが、仕事を辞めるしかなくなった。結果的に仕事を手放すことになった俺が、今は四六時中兄貴につきっきりだ。
俺の収入がなくなって、家計はますます苦しくなった。でも、ヘルパーさんとか他所の人を頼るのにかかる金と俺が無職になるのと、どっちのダメージが大きいのか、冷静に計算できる人間はこの家にはいない。
ふと、洗面所の鏡に映る自分を見る。ヨレヨレの服に、肩までのびたばさばさの黒髪。
髪型はともかく、服には多少こだわりがあったのに。一日中家にいる生活になると、人はこんなに見た目に無頓着になるのか。
なんだかなぁ、と他人事みたいにため息をつく。俺はうっとうしい髪を後ろに流すと、乾いた洗濯物を抱えて兄貴のところへ戻った。
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雅 - ↓もしよろしければ書いていただけると嬉しいです。ご検討のほど宜しくお願い致します。 (2022年10月30日 21時) (
レス) id: 7d488f5410 (このIDを非表示/違反報告)
雅 - 赤が酷いトゥレットに苦しむお話。白目を剥いたり、身体が勝手に暴れたり、大きな声が出たり、意味のわからない声を出し続けたり、首振りが止まらず吐いたり。症状でストレスが溜まり、ストレスで症状が悪化する負のループ。友達も出来ず双子の黄だけが唯一の味方。 (2022年10月30日 21時) (レス) id: 7d488f5410 (このIDを非表示/違反報告)
こまち - そして貯めたお金で誕生日プレゼントを買おうとしていた。しかし何も知らない桃はその日も緑を叱る。そして翌日。プレゼントを買った緑はバイトを終え急いで帰ろうとし交通事故に遭う。病院に駆けつけた桃は冷たくなった緑と対面。全ての事実を知った桃は泣き崩れた。 (2022年10月26日 18時) (レス) id: e020254286 (このIDを非表示/違反報告)
こまち - 桃×緑(兄弟)のお話をお願いします。早くに親を亡くし2人で暮らす。弟の緑は最近夜遅くまで帰ってこず桃との関係はピリピリ。でも実は家計が苦しくても自分を養ってくれる桃のため学生の緑は複数のバイトを掛け持ち夜遅くまで働いていた。→ (2022年10月26日 18時) (レス) id: e020254286 (このIDを非表示/違反報告)
ぺえ(プロフ) - こんばんは！リクエスト失礼します🙇🏻♀️「やさしいひと」がすごく好きなので、同じ設定でまたお話書いていただきたいです！よろしくお願いします、おさと様のペースでこれからも更新頑張ってください、楽しみにしてます！ (2022年10月26日 0時) (レス) id: 8c7e5fe0be (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：おさと | 作成日時：2022年10月16日 19時
