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Side松倉
龍「…また、リハビリ室かな？」
如「もう、たまには休めって言ったのに…」
如恵留がため息をつきながら、病室のベッドを見つめる。そこに、元太の姿はなかった。
「…あれ、みんな来てたの？」
後ろから聞こえた声に振り向くと、入り口のところで車いすに座った元太が目を丸くしていた。顔にはうすく汗が浮かんでいて、踊った後みたいに清々しい顔をしている。
倉「元太、」
元「…来て、くれたんだ。」
会いたかった、と今にも言い出してくれそうな笑顔だった。俺はそれを制するように、深く頭を下げる。
倉「…っごめん。全然、会いに来なくて。」
元「そんな、謝んなよ。」
倉「俺、逃げたんだ。元太が倒れて、見たことないくらい弱ってて、それがすげえ怖くて。…そのくせ、こうやってのこのこ会いに来てさ。都合よすぎだよな。元太が大変なときには目そらして、なのにやっぱり会いたいとか思って…。ごめん、俺マジで汚い奴だ。」
こうして話している間も、俺は顔を上げられなかった。元太の顔を見られなかった。この弱さが、どうしようもなく嫌だ。
今さら許してもらえると、少しでも思っている自分のずるさもどうしようもなく嫌だ。
元「…よかったぁ。」
下げた頭の向こうで、空気の抜けるような声がする。俺が思わず顔を上げると、元太は車いすのひじ掛けにつかまってよろよろと立ち上がった。
元「もう会いたくないとか、思われてたらどうしようかと思った。」
倉「…そんなこと、思うわけないって。」
元「俺、もう気にしてないよ。ちゃんと会いに来てくれたんだから、もう十分。そんな思いつめなくていーよ。」
元太の腕が、優しく俺を包み込んでくれた。優しすぎるんだよなぁ、とあきれたような、でも愛おしむような声が間近に聞こえる。
元「俺、全然諦めてないから。絶対またステージに立つって約束する。だから、」
倉「絶対離れない。近くで、支えるから。」
元太が、少し意外そうに目を見開く。でも、その表情はすぐに嬉しそうな笑顔に変わった。
元「…よろしく。」
少し照れくさそうな声を聞きながら、俺は元太の背中に腕を回した。倒れてしまわないように、離れてしまわないように、やせたその体を精一杯抱きしめた。
「卑怯な君が、愛しくて」fin.
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雅 - ↓もしよろしければ書いていただけると嬉しいです。ご検討のほど宜しくお願い致します。 (2022年10月30日 21時) (
レス) id: 7d488f5410 (このIDを非表示/違反報告)
雅 - 赤が酷いトゥレットに苦しむお話。白目を剥いたり、身体が勝手に暴れたり、大きな声が出たり、意味のわからない声を出し続けたり、首振りが止まらず吐いたり。症状でストレスが溜まり、ストレスで症状が悪化する負のループ。友達も出来ず双子の黄だけが唯一の味方。 (2022年10月30日 21時) (レス) id: 7d488f5410 (このIDを非表示/違反報告)
こまち - そして貯めたお金で誕生日プレゼントを買おうとしていた。しかし何も知らない桃はその日も緑を叱る。そして翌日。プレゼントを買った緑はバイトを終え急いで帰ろうとし交通事故に遭う。病院に駆けつけた桃は冷たくなった緑と対面。全ての事実を知った桃は泣き崩れた。 (2022年10月26日 18時) (レス) id: e020254286 (このIDを非表示/違反報告)
こまち - 桃×緑(兄弟)のお話をお願いします。早くに親を亡くし2人で暮らす。弟の緑は最近夜遅くまで帰ってこず桃との関係はピリピリ。でも実は家計が苦しくても自分を養ってくれる桃のため学生の緑は複数のバイトを掛け持ち夜遅くまで働いていた。→ (2022年10月26日 18時) (レス) id: e020254286 (このIDを非表示/違反報告)
ぺえ(プロフ) - こんばんは！リクエスト失礼します🙇🏻♀️「やさしいひと」がすごく好きなので、同じ設定でまたお話書いていただきたいです！よろしくお願いします、おさと様のペースでこれからも更新頑張ってください、楽しみにしてます！ (2022年10月26日 0時) (レス) id: 8c7e5fe0be (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：おさと | 作成日時：2022年10月16日 19時
