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Side龍也
如「ありがとうございました。」
たしかな声とともに頭を下げたその人のつむじを、俺はしばらくぼんやりと見つめていた。わけがわからなかった。だって、
龍「……俺、何にもできませんでしたっ。」
偉そうなことを言って、結局俺は何の力にもなれなかった。それなのに、なんで…
如「…あなたのおかげで、穏やかな最後の時間を過ごせました。」
泣き笑いの表情で、海人くんの手に触れた方の手を大事そうに握ったり開いたりする。その姿を見た俺は、もう涙をこらえることができなかった。
元「…しめちゃん、いたいいたいなの？」
龍「元太くん、」
元「しめちゃん、いっぱいよしよししてくれたでしょ？ぼくも、そうなりたい。…ぼく、なるよ。かんごし、さん。」
元太くんの手が、俺の手をそっと包む。海人くんの手に触れた、小さな手。
それから2人は、手をつないで病院を後にした。
固く繋がれた2人の手。そして、もう埋まらないお父さんのもう片方の手。
俺の仕事は、何につながっているだろうか。命の終わりを見届けることも多い仕事。でも、何か、何か1つでも、未来につながっていてほしい。
そう祈りながら、俺はまた命の現場へと引き返した。
それからも俺は、救急で働き続けた。器用に記憶を整理しつつ、気づけば十数年のキャリアを重ねていた。
「…パパ、パパ！」
この日搬送されてきたのは、若い男性。きっと、息子さんだろう。付き添いの女性に抱えられた子供が泣き叫んでいる。俺が声をかけようとした時、すぐそばを実習生のナース服がすり抜けた。
「パパ、今頑張ってるからな。俺といい子にしてような。」
真っすぐに語りかけるきりっとした目元。なぜか懐かしさがこみあげる。
ネームプレートは、中村元太。
忘れていたつもりの記憶が、じんわりと引っ張り出される。
つながった、と思った。
小さな手をしっかり握る手はもう大きくなっているのに、たしかに記憶に焼き付いているあの手と重なって見えた。
「つなぐ」fin.
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雅 - ↓もしよろしければ書いていただけると嬉しいです。ご検討のほど宜しくお願い致します。 (2022年10月30日 21時) (
レス) id: 7d488f5410 (このIDを非表示/違反報告)
雅 - 赤が酷いトゥレットに苦しむお話。白目を剥いたり、身体が勝手に暴れたり、大きな声が出たり、意味のわからない声を出し続けたり、首振りが止まらず吐いたり。症状でストレスが溜まり、ストレスで症状が悪化する負のループ。友達も出来ず双子の黄だけが唯一の味方。 (2022年10月30日 21時) (レス) id: 7d488f5410 (このIDを非表示/違反報告)
こまち - そして貯めたお金で誕生日プレゼントを買おうとしていた。しかし何も知らない桃はその日も緑を叱る。そして翌日。プレゼントを買った緑はバイトを終え急いで帰ろうとし交通事故に遭う。病院に駆けつけた桃は冷たくなった緑と対面。全ての事実を知った桃は泣き崩れた。 (2022年10月26日 18時) (レス) id: e020254286 (このIDを非表示/違反報告)
こまち - 桃×緑(兄弟)のお話をお願いします。早くに親を亡くし2人で暮らす。弟の緑は最近夜遅くまで帰ってこず桃との関係はピリピリ。でも実は家計が苦しくても自分を養ってくれる桃のため学生の緑は複数のバイトを掛け持ち夜遅くまで働いていた。→ (2022年10月26日 18時) (レス) id: e020254286 (このIDを非表示/違反報告)
ぺえ(プロフ) - こんばんは！リクエスト失礼します🙇🏻♀️「やさしいひと」がすごく好きなので、同じ設定でまたお話書いていただきたいです！よろしくお願いします、おさと様のペースでこれからも更新頑張ってください、楽しみにしてます！ (2022年10月26日 0時) (レス) id: 8c7e5fe0be (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：おさと | 作成日時：2022年10月16日 19時
