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Side龍也
如恵留さんの目から落ちた涙が、やせた頬をすべり落ちていく。それでも元太くんを起こさないように声を殺して泣く姿を見て、俺はその膝から元太くんを抱き上げた。
龍「…仮眠室、ご案内します。」
如「え、でも、」
龍「きっと眠れないですよね。でも、横になるだけでもいいです。元太くんは俺が見ていますから、少しだけでも体を休めてください。」
何か言いたそうにしていたけれど、少しするとその首はゆっくり縦に振れた。ちょうど元太くんが起きてしまったから、如恵留さんのことは同僚に任せる。
元「…パ、パ、」
龍「パパはね、今ちょっとだけお休みしてるの。僕…しめちゃんといい子にしてようね。」
俺の言葉に、元太くんが素直にうなずく。案外落ち着いているかも、と思ったけど、ベッドに眠る海人くんを見た瞬間その表情が一変した。
元「…っや、にーに、！にーに！！」
龍「元太くん…」
元太くんを違う場所に連れて行こうかと思ったけど、それもそれでイヤイヤと首を振られてしまう。元太くんは泣きじゃくりながら、必死に言葉を絞り出した。
元「ぼく、ね。ボールころがって、こーえん、出ちゃったの。…っで、くるま……にーに、が、ぼくのことおしてっ…」
たどたどしい説明でも、何が起きたのかを理解するのには十分だった。海人くんは、道路に飛び出した元太くんをかばったんだ。
龍「…にーには、元太くんが大好きなんだね。」
元「ぼくも、にーに、すき。すき、なのにっ」
それから、元太くんは“にーに”のことをたくさん教えてくれた。
時々威張りん坊だけど、元太くんにはすごく優しいこと。お菓子を譲ってくれること、同じ学校に通うのを楽しみにしていたこと。野球クラブに入りたがっていたこと。
眠っている海人くんの輪郭が、俺の中でもどんどんはっきりしてくる。
元太くんが泣き疲れて眠るまで、俺は一緒に海人くんのことを想っていた。
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雅 - ↓もしよろしければ書いていただけると嬉しいです。ご検討のほど宜しくお願い致します。 (2022年10月30日 21時) (
レス) id: 7d488f5410 (このIDを非表示/違反報告)
雅 - 赤が酷いトゥレットに苦しむお話。白目を剥いたり、身体が勝手に暴れたり、大きな声が出たり、意味のわからない声を出し続けたり、首振りが止まらず吐いたり。症状でストレスが溜まり、ストレスで症状が悪化する負のループ。友達も出来ず双子の黄だけが唯一の味方。 (2022年10月30日 21時) (レス) id: 7d488f5410 (このIDを非表示/違反報告)
こまち - そして貯めたお金で誕生日プレゼントを買おうとしていた。しかし何も知らない桃はその日も緑を叱る。そして翌日。プレゼントを買った緑はバイトを終え急いで帰ろうとし交通事故に遭う。病院に駆けつけた桃は冷たくなった緑と対面。全ての事実を知った桃は泣き崩れた。 (2022年10月26日 18時) (レス) id: e020254286 (このIDを非表示/違反報告)
こまち - 桃×緑(兄弟)のお話をお願いします。早くに親を亡くし2人で暮らす。弟の緑は最近夜遅くまで帰ってこず桃との関係はピリピリ。でも実は家計が苦しくても自分を養ってくれる桃のため学生の緑は複数のバイトを掛け持ち夜遅くまで働いていた。→ (2022年10月26日 18時) (レス) id: e020254286 (このIDを非表示/違反報告)
ぺえ(プロフ) - こんばんは！リクエスト失礼します🙇🏻♀️「やさしいひと」がすごく好きなので、同じ設定でまたお話書いていただきたいです！よろしくお願いします、おさと様のペースでこれからも更新頑張ってください、楽しみにしてます！ (2022年10月26日 0時) (レス) id: 8c7e5fe0be (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：おさと | 作成日時：2022年10月16日 19時
