続・タピオカ屋さんと彼氏のひかるくん (ページ28)

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と、思っていた矢先

『Aさん、
よかったら彼氏さんと一緒に
ちょっと休憩しててください！
中やっておくので』

そう言いながらこいつ
さりげなくAの腰に手を回して
俺の方にトンッと誘導しやがった…

は？今どこ触った？

「阿部くんありがと、って、え？
ひかる？なんでそんな怒ってるの？」

「なんでAも普通に受け入れてんだよ！」

「『えっ！？』」

「同時にきょとんとすんなよ。
なんかムカつくなぁ。
腰！阿部が触った！阿部に触られた！」

「『腰…？』」

「っでだよ！気付け！2人とも！！」

なんなの？
もしやこんな感じのボディータッチ
日常的すぎて2人とも意識してない感じ？

「や、まじ、やっぱ無理なんだけど。
あと数日でも無理だわ。解雇解雇！」

『えぇーーーっ！なっなんでっ！』

「ちょっとひかる、やめてよもー。」

「まじ阿部！ぜってー触んな！
すれ違い様に軽く手の甲ぶつかるレベルも
まじでぜってーーー無しだから！」

Aの手を引いて
思いっきり腰を抱き寄せて
体温を感じてもおさまんねぇ。

自分でも分かってるよ、
また嫉妬深さ出ちゃって
ちょっと恥ずかしいけど
もう後に引けないこの感じ？

『そーんな怖い顔しないで下さい。
ちゃんと分かってますから。

大切な彼女で、
彼氏さんが嫉妬深いことも。』

そして、ぼそっと

『あと数日…だけど

数日2人きりの時間ありますけど、ね？』

なんだこいつ

『ははっ、うそうそ、大丈夫ですっ！』

ちょっと、裏がありそうな笑顔で
店に入って行く阿部…まじ要注意。

「もー、ひかるやめてよね？」

「…ごめん。だって触られんの無理。」

小さい声で
「すげー心配…」
と漏らした本音。

宥めるような笑顔で
髪をくしゃくしゃと撫でられて

あぁ、なんか俺すげーガキみたい…

「こんなかわいい彼氏
放っておけないなぁ。
わたしのこと好きすぎて心配。」

笑いながら
とことんガキ扱いしてくるAに

「帰ったら…分かってる？」

はっとした顔のAの頭を撫でて

夜を楽しみに、

またあとで、ね。