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街中を万次郎とケンちゃんと３人で歩いていたけど、気になる事が一つ
Aねぇ、万次郎、ケンちゃん…
さっきのタケミっち君…
私の名前、なんで知ってたのかしら…
栗色のウィッグに、つばの広い帽子をかぶっている
集会や喧嘩の現場に顔を出したことのない私の存在を知っているのは東卍のメンバーでも万次郎が信頼しているごく数名だけのはず
今日のように喧嘩の現場に万次郎たちといくのははじめてのことだった
初対面の彼が私のことを知っているはずがない
以前にも会ったことあるのかもしれないけれど、彼が言った言葉も気になる
万次郎のそばにいてほしい、と…
不思議なことを言う子だ…
万次郎会ったことあるのを忘れてるだけじゃねぇの?
向こうはお前の顔見て、迷わず名前言ったんだから
龍宮寺だな。
Aに会ったことあるやつで、忘れるような奴はいねぇよ
なっ！
と2人は顔を見合わせて言った
忘れてるだけ…？
A…
そういえば、昨夜、タケミっち君に似た人が夢に出てきたような…
万次郎ぉ、Aお得意の不思議な夢ってやつ?
龍宮寺予知夢みたいなやつって言ってたな?
てことは、昨夜の予知夢はタケミっちに会うのを予知したってことか
ほんとにそんなのあるかー？
と、また2人は顔を見合わせて言った
Aちょっとくらい信じてくれたっていいじゃない…
そぅ、私は子供のころから時々不思議な、予知夢のようなものを見ることがあった
実際に似たようなことがしばらく経ったから起きることもあった
そんな話を2人に話したことがあったから、また始まったー、と言わんばかりに軽くあしらわれてしまった
万次郎ケンチン、この後どーする?
龍宮寺ぁー、家帰るわ
用事、いろいろ押し付けられてるから
Aそか…、大変ね…
じゃぁ、万次郎はこのまま家に家に寄ってくれる?
お父様から万次郎あての頼まれごとがあるから
龍宮寺ぉ、いつものあれか?
悪かったな、2人で会う予定に水差して
A予定って言っても、大した事じゃないから大丈夫よ
ケンちゃんとは途中で別れ、万次郎と2人で歩いて自宅マンションに向かった
地上40階建ての高層ビル
35階より上は父が所有しているフロア
私は38階のワンフロアが生活スペース
中学生のほぼ一人暮らしの私には贅沢を通り越している
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作者名：神奈月百合 | 作成日時：2022年9月18日 18時
