ゆうりとらっぷ ( C.Yuri )

とらっぷ ( 10 ) ページ11

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あわあわと焦って話す山田くん。



でも、正直それ以上に驚きを隠せずにいた。





A 「 ……私も。ここ 」

涼介 「 ……え？ 」






山田くん家だって言い張るそのマンションは、私の家でもあったから。






涼介 「 マジ？ 」

A 「 うん。嘘じゃないよ 」

涼介 「 うわぁー。マジかー 」






それは彼も同じだったみたいで。



お互いにずーっと長い間同じところに住んでるはずなのに、気づかなかったなんて不思議。






山田くんが5階で私は4階。

山田くんが502で私は402。



丁度、私の家の真上が山田くん家。






A 「 じゃあね、 」

涼介 「 …ん、じゃあな 」






そういって閉まるエレベーターの先の彼に手を振れば、





涼介 「 ……あの、…さ、 」






山田くんの引き止める声とともに、また開く扉。






涼介 「 これからも一緒に帰らね？ 」






一歩、私の方に近づいて見捨てられた子犬みたいな目で私を見つめて、彼はそう言った。



ちょっぴり赤くなった頰がなんだか可愛らしく見えて。






A 「 うん。いいよ 」







承諾すればわかりやすく子供みたいに喜ぶ山田くん。



１人で帰るより、楽しいもん。







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