お隣さんには敵わない

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お鍋の蓋を開けると



熱い煙と共にふわっと煮物の良い香り






ゆら「うん、美味しい」







前回煮物を作った時は味見するのを忘れてて




あんまり味がしみてなかったから




ちょっと失敗だったなー、って







でも今日は1口味見してみても、ちゃんと味がしみてて美味しい



これは成功って言ってもいいよね、？








にしても、




気を遣って言ってくれたのかもしれないお隣さんの言葉で




またこんなに作りすぎるなんて、どんだけ浮かれてんだ私









まぁでも、あれからちょっと日にち空いてるし




嫌だったら断ってもらえればいいし






なんて自分に適当に言い訳をしてドアを開ける









なんて言って渡そうかとか考えずに勢いだけで外に出てきちゃったせいで、





インターホンも押さずに人の家の前で立ってる不審者みたいになってて





どうしようどうしようって必死に考えを巡らせる








「あの、」





ゆら「、はい、？」







マンションのエレベーターがある方から歩いてきた男の人に不思議そうな顔で声を掛けられる








「ここの家の方とお知り合いですか？」








もしかしてお隣さんのお友達、？




だとしたら私相当変な人だよね、！？




とりあえずこの状況なんとかしなきゃ、









ゆら「あ、あれ、！家間違えてました、すみません、！」







あはは、って引きつった笑いでさっき出たばかりの隣のドアを開ける





ドアを閉めきるまで男の人の視線を感じたけど




なんとかやり過ごせた








でも別にやましい事とかがあるわけじゃないんだから




堂々としてれば良かったな




なんて、ドアにもたれかかって1人反省会

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