お隣さんには敵わない

#11 ページ12

"期待しちゃってました"







エコーみたいに



頭の中で鳴り響くお隣さんの言葉






予想外すぎて



なんて言ったらいいのかわかんない、









「なんちゃって」









ゆら「え、？」






「なんもないんやったら良かったです」







それじゃ、って軽く会釈して



隣の部屋に入ろうとするお隣さん











もし、





さっきの言葉を"なんちゃって"で済ませるなら




あの少し悲しそうな顔はなんだったの、








びっくりしたけど、ちょっとでも弾んだ私の気持ちを






どうしてくれるんですか、？










ゆら「あの、！」






ドアが閉まりかけた瞬間だったから、




顔だけひょこっと出して私を見て










ゆら「煮物が、美味しくできたんです」









"良かったら、食べていきませんか"








目を丸くするお隣さんと



それを見つめる私







断られたら辛いな、とか思ったけど



それ以上にお隣さんに食べてほしいから






もっと話してみたいから










がちゃん、とドアを閉めて



今度は全身出してこっちに向き直ったら







「ちょうど腹減ってました」







待ってたかのように



ニコって笑ったお隣さん

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