第61話【涼介side】 ページ13
・涼介side
・
俺達が乗っている車を猛スピードで走らせ、
知念とAの前に車を停めさせる。
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エンジンを止め、2人を観察｡
"指輪だけは受け取るな"
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車内からでもはっきり見えるAの顔、
どんな会話をしているのか、表情で分かる……
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そして、知念がAの手に握らせた物……
紛れもない"知念の女の証"
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"風が刻み込まれた指輪"
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涼介「……くそっ、そこどけ!!」
俺は横に居る健人を押し退け、
車から降りようとする。
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健人「だめですよ!!薮さんに言われてます!!
それに今行ったらAさんに……っ!!」
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・
俺が開けては、健人がドアを閉める。
涼介「関係ない、どけ。」
風磨が混じり、2人掛かりで俺を抑えつける。
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興奮が抑えられず、俺の体は怒りで震える。
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・
涼介「ﾌ、極めつけがこれか。」
怒りで震える体とは裏腹に冷静な心｡
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・
見ては行けないものを見てしまった。
指輪渡しだけじゃない、
俺の見てる前でおでこにキスしやがった……
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・
涼介「いつまで俺を抑えつけてる、離せ」
俺は2人をバンっと 押し退ける。
涼介「Aには手を出さない｡」
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それでも俺の手を掴む健人と風磨、
2人の手を振り払い俺は車から降りて行く。
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車から降り、知念とAへ近付く。
Aは俺を一瞬見るが、目をすぐに逸らしてしまう｡
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覚えてる？お前が俺に言った言葉……
"涼介を裏切らない"
俺はこの言葉をずっと信じていたかった。
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"最後まで信じさせて貰いたかった"
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俺はどうしようもない気持ちを抑えられずに、
強く拳を握りしめる。
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作者名：姫りんご
| 作成日時：2014年2月25日 19時
