甘い、甘すぎる。

#36 ページ37

in





その後、俺たちは知念とカフェを何軒かハシゴして、お互い最寄りの駅が違うからお別れになったんだけど




「 うーさみ……あれ？ 」




…ない。
………ない。


……財布がない


どうしよう、最後に寄ったカフェのイスに置きっぱだ、絶対置きっぱだ。もう営業時間外だし、今から戻るのも嫌だし…



「 もー……ちねんにLINEしよ 」



迷ったらソッコー知念にLINEです。




いのお知念ごめんだけど〇‪‪✕△駅まで迎えに来て


いのお財布さっきのカフェに忘れてきた





もー…何やってんだ俺…


眠いし、寒いし……俺ここで凍え死ぬ？




やべ…うとうとしてきた






んー、ちょっとだけ、ならいいよね





･










「 …風邪引きますよ 」



「 はっ、ちねんごめんありがと…え？ 」

「 やまだくん？え、なんで…こんな時間になにやってんの 」




「 …それはこっちのセリフ。LINEきたから飛んできたんですけど、、ほら 」







ん、と俺の顔の前に差し出されたスマホの画面にはちねん宛へのLINEの文章が


まさか俺ちねんに送るやつをやまだくんに送った？





「 家まで送ります。帰りましょ 」


「 いっ、いやいやいや、やまだくんに申し訳ない…これ以上迷惑かけたらおれ、 」


「 いいよ。別に迷惑かけても。 」


「 …へ、 」


「 一緒に帰りましょ？ 」







そんな綺麗な瞳でみられたら
うんとしか言えないじゃん、ねえ？



…どうにでもなっちまえ、全部やまだくんが悪いんだ。ばか。






．

#37→←#35

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す