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九十九話 ページ11

――――――…
―――…

 

 

「主…、大丈夫ですか?」

「ダイジョウブ二ミエマスカ?」

「アッハハハハハ!まーた派手にやったね、流石Aちゃん!」

 

青から赤へと移ろおうとする空の下、馬小屋付近にて困った様子で佇む大太刀の太郎太刀。そしてその横で兄弟刀である次郎太刀が酒瓶を片手に盛大な笑い声を上げていた。彼が指をさしながら笑うその先には―――

 

「なーんで戦闘訓練で飼葉の山に頭から突っ込むかね!アッハハハ!」

「太郎さんに刀を足場にしてホームランしてもらう練習でいい感じに投げてもらうまでは良かったものの、着地地点に偶然いたお馬さんにローリングソバット食らってその先に飼葉の山があったらこうなりますね。鳩尾痛いけど馬糞の山じゃなくて良かったと思おう」

「…申し訳ありません主、力加減を誤ってしまいました。次郎ももう笑うのは止しなさい」

「いやーこれは笑うでしょー!こんな主なかなかいないって、いいねぇAちゃんほんと飽きないわー!」

「熱海神宮の奉納刀にそう言われると怒るべきなのか喜ぶべきなのか」

「怒って良いのですよ主…」

「とりあえず自力で抜けそうにないので助けて下さーい」

 

太郎太刀に引っこ抜かれ飼葉の山から脱出したAには至る所に干し草がくっ付いてしまっている。ポニーテールにした髪にも大量の飼葉が刺さっており取るのに苦労しそうだ。半袖であったが幸いにも擦り傷等の傷は無く本人はピンピンしている。が、少々口にも入った様でべー、とAは苦い顔をしながら舌を出していた。

政府から送られてきた書類仕事を夕刻前に終わらせた彼女は、体をほぐそうと鍛錬に付き合ってくれそうな男士を探していた。その際たまたま鉢合わせした太郎太刀と次郎太刀に声を掛け、例の連携技の修練をしたいと申し入れたのが事の経緯。その結果が先程の会話である。

 

「お怪我は見受けられない様ですが、念の為に薬研殿に診てもらいましょうか?」

「そこまでは大丈夫ですよ。こう見えて頑丈ですし、馬には蹴られ慣れてるので」

「…慣れてしまっているのですか…」

「兄貴も大抵動物に怖がられるけどさ、Aちゃんは兄貴以上だよね。何でなんだろう?雰囲気的には逆に好かれそうなのに」

「見た目は子どもだけど中身はゴリラだって第六感で感じ取ってるとかじゃないですか?」

「おや、鯰尾殿」

「お、やほー鯰尾君。そして流れる様な罵倒にブロークンハート寸前だぜこのやろう」

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(プロフ) - 蜂蜜パスタ(閲覧垢)さん» 蜂蜜パスタ(閲覧垢)さん、コメントありがとうございます!絵を描いてる分更新が遅いですが、褒めていただけると本当に嬉しいです。今後も応援宜しくお願い致します! (2022年12月9日 6時) (レス) id: 317a1afa0e (このIDを非表示/違反報告)
蜂蜜パスタ(閲覧垢)(プロフ) - 話が読みやすく、かつ設定もよく練られていてとても面白いです。絵もお上手ですね。情景がひしひしと伝わってきます。応援しています(*^^*) (2022年12月9日 4時) (レス) @page24 id: c07d8ae3cf (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - ライチ@あんみつ神!さん» ライチ@あんみつ神!さん、今作初コメントありがとうございます!久々のコメントでとても糧になります!更新は相変わらず遅くなるかもしれませんが、なんとか完走出来る様に頑張ります! (2022年8月8日 13時) (レス) id: 317a1afa0e (このIDを非表示/違反報告)
ライチ@あんみつ神! - この作品大好きです!更新頑張ってください! (2022年8月8日 9時) (レス) @page16 id: 605309b64c (このIDを非表示/違反報告)

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作者名: | 作成日時:2022年1月21日 12時

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