13杯目 ページ14
有「伊野、ちゃん」
そんな風にされたら涙止まんなくなっちゃうじゃん
伊「ダメ、離さないよ?」
有「なん、で、」
伊「なんでも、...俺がこうしてたいだけ」
ひょろひょろなのに抱きしめる力は強くて
安心感があって
なんだか嬉しくて
けど、胸に残るザワザワは大きくなるばかりで
不安で、苦しくて、嬉しくて、悲しくて、
色んな感情がごちゃごちゃに混ざった涙が
伊野ちゃんのパーカーを濡らしていく
やっと涙が止まってきた頃、
またも伊野ちゃんの携帯にメールがきた
目に入ってきたのは
『ゆうや』
と書かれた男の人の名前
『今日も夜遅いけど大丈夫?
何処にいるの?』
なんて、付き合ってるじゃん、絶対
そんなメッセージ、友達とかに送るかな、ふつー
胸が押しつぶされそうで
伊野ちゃんのパーカーをぎゅっと握り
伊野ちゃんの胸に顔を埋めた
伊「どうした?」
有「大丈夫」
そう答えるとスマホを置き
さっきよりも力強く抱きしめた
大丈夫だよ、と言っているかのように
伊「『ゆうや』が誰か、気になってるの?」
やっぱバレてるや
なんて思いつつ、そっとうなづく
伊「たかぎ、あ、ゆうやのことね?
今うちに向かってきてるみたいだからあってみる?
モヤモヤが晴れるんじゃないかな」
びっくりして顔を上げると
優しそうに微笑み
俺の頭を撫でてくれてる
何度も、何度も、優しく、優しく、
有「ん、ちょっとだけ」
伊「よし、準備しよっか
寒いから暖かい格好しな?」
っ、、
伊野ちゃんってどこまでも優しいんだから
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作者名:ゆう | 作成日時:2019年11月4日 21時