予感 ページ37
嫌な予感がする。
太宰の嫌な予感は外したことがない。だからこそ、心配になっていた。Aのことを。先程からAに電話をしているが、全く繋がらない。流石の太宰でも焦ってくる。
「A……!」
太宰はスマホのアプリを開く。レーダーが画面に現れる。その中に一つの反応があった。Aだ。実は、森とAの父からの贈り物であるという結婚指輪には発信機が埋め込まれている。太宰はAの反応を確認すると部下に車を手配させた。念のため戦闘要員である、とある異能者も嫌々ではあるが用意させた。
目を覚ます。其処は地下室だった。牢屋とかではなく、窓はないがドアだけがある。家具もない何にもない部屋だ。自身の手足は鎖で繋がれており、自由を奪われていた。荷物チェックが手薄だったのだろう、バッグは奪われていたが腰にある拳銃は奪われてなかった。
Aは隠し持っていたクリップを取り出す。そして、太宰に教わった通りに鍵穴に差し込む。
開いた。
残りの枷もどんどん外し、自由の身になった瞬間……敵が来た。
「お前……!何故外れてるんだ!!」
やって来たのは30代くらいの男性。顔に傷があり、いかにも裏社会の住人らしい。
男がこっちに寄ってくる。Aは咄嗟に手を動かした。
「来ないで!!」
持ったのは太宰から貰った拳銃。其の拳銃を男の向けた。男も身震いする。
「……お前は殺しをしたことがないと聞いた。そんなお前が引き金を引けるとは思えないが?」
男の表情は余裕だった。
「どうして私を誘拐したの?」
Aはそんな男の言葉をスルーして問いただす。
「俺の組織はあの忌まわしきポートマフィアの幹部、太宰治に潰された。生き残りである俺は新しい組織を作り長となった。其処で、あの太宰が溺愛している妻のお前を誘拐すれば必ず奴はやって来る。恨みを晴らすため、太宰を殺そうって計画だ」
男の目は怒りが込められていた。まずい、と思った瞬間男はナイフを取り出しAに襲いかかった。
「やめっ……!」
Aは咄嗟に閉じた目を開こうとする。なんだか暖かい感触がある。
「治……助けに来てくれたの?」
Aは此の暖かさを人肌と感じた。返事はない。
現実はそう甘くないもので。
目を開くと目の前が真っ赤に染まっていた。
唯々、拳銃の発砲音が頭の中で響いていた____。
うー……(泣)忙しいよ……夏休みなんて嫌いだ……受験生……
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鏡音ののり - 控えめに言って神です! (2019年3月22日 8時) (レス) id: 9f03a4e99e (このIDを非表示/違反報告)
味の素(プロフ) - 続きが読みたいです! (2018年7月14日 23時) (レス) id: d5befd4dfc (このIDを非表示/違反報告)
ナタデココ(プロフ) - 気長に待ちます← 高校合格おめでとう御座います! (2018年4月29日 19時) (レス) id: 67a39a2c5a (このIDを非表示/違反報告)
燈火@トモシビ(プロフ) - 受験お疲れ様でした。これからの展開、すごく楽しみです! (2018年3月17日 18時) (レス) id: 8eb3f635ae (このIDを非表示/違反報告)
れいか(プロフ) - 頑張ってください!応援してます! (2017年10月10日 1時) (レス) id: 95ec296d00 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ゆんゆん | 作者ホームページ:http://touch.pixiv.net/member.php?id=17622667
作成日時:2017年5月3日 12時