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暇つぶし ページ28

Aは太宰が最も苦手とする書類整理を終わらせてしまった為、暇になってしまっていた。自身の夫は今は任務の下見に行っている。それから作戦立案をし敵組織の壊滅に行かなくてはならないのだ。
「……暇だ」
兎に角やることがない。暫く長椅子でぐうたらと休憩をしていたところあることを思い出す。
「最近やってない……」
指しているのはAが得意とするピアノ。最近は忙しくて弾いていない。勿論、家にはピアノはあるがかなり前に太宰が『私にも聞かせてくれ』と頼まれたので彼が忙しい時期は弾けないのだ。

「あった……」
マフィア内にもピアノはあるかも、と少しの希望を抱いて部屋を出た。絶対ないだろとAは確信していたが、なんと本当にあったのだ。然も真新しく大きなピアノ。かなりの値段はするだろう。

「弾いても……いいよね?」
辺りを見渡す。誰もいない。Aはホッと息をついて指を動かし始めた。
隠れてこっそり見ている人影にも気付かずに___

ーーーー

弾いている最中は心地が良い。とても清々しい音色が自身の中にゆっくりと入り、心を浄化させてゆく。嗚呼、なんて音楽は素晴らしいのだろう。
いつの間にか曲が終わってしまった。久しぶりに弾いたのだ。Aの心の中は子供のようにわくわくしていた。次は何を弾こうか、考えていた時だった。

いつの間にかピアノのそばに男がいたのだ。少年のような見た目。かなり明るい茶髪で長髪。青い瞳。トレードマークなのだろうか、帽子を被っている。一言で云うとお人形のような綺麗な容姿だ。一瞬女の子かと勘違いしてしまう程の。身長がかなり小さい為だろう。
そんな男はAの演奏が終わった今、Aのことを唯じっと見つめていた。困ったAは其の男に話しかけた。

「あの……如何かなされましたか?」
Aがそう云うと男はハッとしたように返事をした。
「あ……!嗚呼、俺の好きなクラシックの曲が流れてるなと此処迄辿り着いちまった訳でよ……其の、いい演奏だったぜ!」
男は興奮したように目をキラキラさせて云った。
「そうですか?有難うございます!」
Aは久しぶりに自分のピアノが褒められたので嬉しかった。
「名前は?なんて云うんだ?」
男はAに聞く。Aは正直に答えた。

「太宰Aです」

………

男の顔がみるみる青くなっていく。
「手前真逆……!あのクソ太宰と結婚したのか……!?」

「は、はい……」

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鏡音ののり - 控えめに言って神です! (2019年3月22日 8時) (レス) id: 9f03a4e99e (このIDを非表示/違反報告)
味の素(プロフ) - 続きが読みたいです! (2018年7月14日 23時) (レス) id: d5befd4dfc (このIDを非表示/違反報告)
ナタデココ(プロフ) - 気長に待ちます← 高校合格おめでとう御座います! (2018年4月29日 19時) (レス) id: 67a39a2c5a (このIDを非表示/違反報告)
燈火@トモシビ(プロフ) - 受験お疲れ様でした。これからの展開、すごく楽しみです! (2018年3月17日 18時) (レス) id: 8eb3f635ae (このIDを非表示/違反報告)
れいか(プロフ) - 頑張ってください!応援してます! (2017年10月10日 1時) (レス) id: 95ec296d00 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ゆんゆん | 作者ホームページ:http://touch.pixiv.net/member.php?id=17622667  
作成日時:2017年5月3日 12時

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