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拳銃 ページ23

全弾命中。然もど真ん中。流石の太宰も唖然としてしまう。普通、この長さの距離で3回連続撃ち、的のど真ん中に当てることはかなりの期間の訓練を必要とする。いくら教官が太宰であっても、1ヶ月かかるかどうか。そんな大技をAは1日でこなしてしまった。
太宰は確信した。『彼女の才能は溢れ出ている程だ』と。此の才能は守る為ではない、殺す為の才能だということ。彼女がもし、此の才能を開花させようと思ったなら、異能を持たないAでも上級構成員迄に上り詰めるのは間違いない。

「治……?如何したの……?怖い顔して」
Aの一言で太宰ははっと我に帰る。そんなに怖い顔をしていたのだろうか。

Aを此の闇に触れさせないように……守ろうと考えていたのだ。

「A……君は1日で此処迄成長した。正直、目を疑ったよ。此の芸当は1日で出来るものじゃあない」
「うん。ありがとう……」
太宰はフッと微笑むと、何処から取り出したのか拳銃を取り出した。まだ新しく少し小さめの銃だった。
「此れは……?」
Aは其の拳銃を見て太宰に問う。一瞬殺されるかと思ったが、太宰の優しい顔を見て大丈夫だと確信した。
「君専用の銃だよ。もう訓練はいらない。言っとくけど、此れは殺す為の銃じゃあない。君自身を守る銃だ」
「守る?」
「そう。君は今、裏組織に狙われている存在だ。居場所を掴まれたら誘拐や拷 問、下手したら殺されるに違いない。成る可く私、若しくは私の部下がつくことになっているが……最近は任務が多くて。裏切り者の組織等を壊滅させなきゃいけないんだ。寶、君が1人になる事が多くなってしまう。」

太宰の言葉でAはなんとなくだが理解ができた。もし、襲われそうになったら此の銃を使えと。
「兎に角、敵に捕まりそうになったら足を撃って。足を撃てば敵はもう動けない。その隙に走って敵から距離をとるんだ。そして、直ぐに私に連絡して。任務中でも急いで駆けつけるから」

太宰の真剣な目を見たAは少しだけ、ドクドクと心臓が鳴っていた。彼の言葉一つ一つが王子様みたいで。なんだかかっこよくて。

「うん……判った。治も気をつけてね。任務って危ないんでしょ?」
「まあね。今日もまた死にそびれちゃったけど……そういえばA。任務の前の約束覚えてる?」
『帰ったらご褒美頂戴?』勿論覚えていた。

「……いいよ」
「……判った」

太宰はAの頰に接物をした。矢張り唇にはしなかった。

ご褒美→←過酷じゃない



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鏡音ののり - 控えめに言って神です! (2019年3月22日 8時) (レス) id: 9f03a4e99e (このIDを非表示/違反報告)
味の素(プロフ) - 続きが読みたいです! (2018年7月14日 23時) (レス) id: d5befd4dfc (このIDを非表示/違反報告)
ナタデココ(プロフ) - 気長に待ちます← 高校合格おめでとう御座います! (2018年4月29日 19時) (レス) id: 67a39a2c5a (このIDを非表示/違反報告)
燈火@トモシビ(プロフ) - 受験お疲れ様でした。これからの展開、すごく楽しみです! (2018年3月17日 18時) (レス) id: 8eb3f635ae (このIDを非表示/違反報告)
れいか(プロフ) - 頑張ってください!応援してます! (2017年10月10日 1時) (レス) id: 95ec296d00 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ゆんゆん | 作者ホームページ:http://touch.pixiv.net/member.php?id=17622667  
作成日時:2017年5月3日 12時

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