白雪姫と王子様

白雪姫と王子様 34 ページ34

、









覚悟しててね、って囁いた那月ちゃんの言葉が頭から離れなくて









いつ来るんだろう、なんて考えながら身構えてたら、いつの間にか放課後になってた。









未だｱｸｼｮﾝを起こしてこない那月ちゃんに怯えて








極力、目を合わせないように努めていた。









でも、放課後、









一番聞きたくなかった台詞が耳に飛び込んできた。









今日で今週のｶｳﾝﾀｰ当番が終わる。









私はいつものように図書室へ向かっていた。









図書室に着いて、扉を開けようと、取っ手に手を伸ばした、









その時だった。









那月「ね、望くんって、Aのこと好きなん？」









その声にﾊｯとなって、手が止まる。









なんで………？



また、那月ちゃん来てるの…？









どうしよう。









その先の台詞、聞きたくない。









望「……………な、わけないやん。





好きやないで。」









小さく呟いたその言葉は


十分すぎるほど、聞こえてきて









私の胸を、嫌という程締め付けた。









もう、どうしたらいいかわからなくなって







とめどなく溢れ出す涙もそのままに









私の足は、空を切っていた。

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