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ほうきを動かしながら、男子の群れの中で笑ってるうらたをチラッと見る。うらたは今日は掃除じゃなかったはずなのに。順当に考えると誰かと変わったんだろうけど。




掃除の担当表に書いてあった番号と今いるメンバーを照らし合わせていく。あれ、私とよく変わってくれる友達がいない。ってことはあいつ、掃除変わりやがったな……。



ジトっと睨んでみるとうらたと目があった。うわ、悪い顔してる。こちとらお喋り出来る人がいたから諦めて掃除やってるのに。



なぜか今年の出席番号が近い人はほとんど男子だった。あの掃除変わってくれるめっちゃ良い子と友達になれたのも、近辺の女子が私とその子だけっていう状況だったから。つまり、今この瞬間で女子は私だけ。まともに話せる男子がうらただけ、という私からしたらこの状況は嫌がらせに近い。





観念するんじゃなかった。テストめっちゃ頑張ることにして帰っておけば良かった。後悔先に立たずという言葉が私の心にぐさぐさ刺さる。




はあ……。もういいや、こうなったらさっさと終わらせて早く帰ろう。本当に嵌められたじゃん私……。





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同じ掃除場所のやつと話しながらチラッとAを見るとちょうどこっちを睨んでいる最中だった。にやっと笑って返すとぷいっと視線をそらされる。




あれは……掃除を無理やりさせたから怒ってるのか?それとも俺がAと仲が良い子と変わったから怒ってる?とりあえず、怒ってることには変わりないんだろう。あーあ、あとで機嫌を直しに行かないと面倒くさそうだな……。




真面目に掃除を始めたAに倣って俺も真面目に掃き掃除を進める。理科室は広いから隅の方までやるのは時間がかかりそうだ。



……っと、ここは薬品エリアか。俺は見てて楽しいけどあいつは絶対に拒否するんだろうな。実験のたびに無理無理無理無理!って叫んでるくらいだし。ここにAが来たら卒倒しそう。





でもここは他の人からは少し見られにくい場所でかくれんぼとかしてたら重宝されそうなところだ。





そしてAが気になってる俺からしても絶好の隠れ場所。もちろんこの『気になってる』はそういう意味。




さて、ここは埃も多いし……。早速掃除を手伝ってもらおうかな。思わず口の端が吊り上がる。





それはAが見たら「悪い顔してる〜」って言いそうな笑顔。





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スピカ(プロフ) - わぁ、好きな作者さんがこんなに・・・! (2021年5月5日 13時) (レス) id: 990b6b3e69 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:参加作者一同 x他5人 | 作者ホームページ:なし  
作成日時:2021年3月19日 19時

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